コージー冨田「病魔に視界を奪われた」(2)白い器の白米が認識できず

 糖尿病は「しめじ」っていう順番で悪くなっていきます。「し」は「神経」、「め」は「目」ですね。「じ」が「腎臓」。本当に、この順番通りに悪くなっていきました。糖尿病の「三大合併症」と呼ばれるゆえんです。

 48歳頃、ホットカーペットの上で裸足で寝ていました。そうしたら、右足の甲を低温火傷した。神経が通っていないから、まったく気がつかないんです。これが(しびれや痛み、感覚の鈍さなどの症状がある)神経障害の恐ろしさ。火傷って見慣れたケガの1つですけど、奥さんに「ここ、どうなってる?」って聞いたら「腐ってる」「ええっ!」「病院にいつ行くの?」「3日後ぐらいに」「いや、明日行ったほうがいい」って。

 診察を受けた皮膚科では「このあと時間ありますか? これ、今すぐ患部を削がないと、壊死が広がって足の切断ですよ。今でも、もしかしたら間に合わないかもしれないです」と言われて。もうその場ですぐ削いだんですよ、シュラスコみたいに(笑)。間に合いましたが、ギリギリでした。

 そもそもそれ以前、40歳頃からやたらと足の先っぽに水ぶくれができていました。怖いから潰すと、そこが紫色になって、一瞬、足が腐ってるように見えた。壊死じゃないかと不安で病院に行くと、幸い壊死ではなかったのですが、「糖尿病が相当進んでいます」「もうインスリンを打たないとダメです」って。注射を打つなんて嫌でしたけど、それから10年ぐらいはなんとか頑張った。でも結局、病魔は視界を奪っていきました。

 最初に見えにくくなった時は白内障で、手術したんです。パッと見えるようになったんですが、1年ももたなかった。どんどんまた悪くなって、現在に至ります。正確に言うと盲目ではなく弱視になるんでしょうかね。

「恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜」(日本テレビ系)というドラマで、弱視の少女を演じる杉咲花ちゃんが言っていたのは、レジ袋を頭に被ったような視界。ビニールの透けを通して見える感じです。皆さんが思い出の中にいるみたいな(笑)。つまり白に白バックがいちばん怖い。白い器に白米が乗っていても認識できません。いつもはブラックコーヒーなんですけど、珍しくミルクを入れたんですよ。するとまったく見えない。先にミルクを入れると全然ダメなのを昨日、知りました(笑)。

 目が悪くなって、次は腎臓。でも、悪くなっていったのが全然わからない。

 腎臓は2つあって、1つはダメになりました。残った腎臓をもっと大事にしていかなきゃいけないと、投薬で抗ったんですけど、どんどん悪くなっていくばかりで。何が辛いって、もう体が寒いんです。暑い日でも寒い。吐き気が常にあって、いい匂いも全部気持ち悪くなってしまいます。おいしそうなチャーハンの匂いや石鹸の香りすら気持ち悪い。

 結果、食べ物が喉を通らない。リンゴ、のど飴、うどんなどをなんとか頑張って食べても、どんどん痩せていきました。先生がいよいよ「これは人工透析しなきゃいけません」と。また抵抗したんですけど、やっぱりダメで、自宅近くでクリニックを探して、人工透析をやり始めたのが2019年。コロナ禍の前ですね。

コージー冨田 1967年2月24日生まれ。愛知県出身。タモリのものまねで注目され、笑福亭鶴瓶、松村邦洋、石橋貴明、千原ジュニア、鈴木雅之ら、約70人のものまねを得意とする。

(つづく)

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