3月16日、米スターバックスがドライブスルーでホットコーヒーの受け渡しの際、中身がこぼれ男性に大やけどを負わせたとして、カリフォルニア陪審員団は5000万ドル(約74億5000万円)を賠償する判決を下したとCNNなどが報じた。
「コロナ禍の2020年2月8日、配達員のマイケル・ガルシアさんがロサンゼルスにあるスターバックスのドライブスルーでドリンクを受け取ろうとしたところ、高温のホットコーヒーが下半身にこぼれ、重傷のやけどを負ったといいます。これによりガルシアさんは性関係時に痛みを感じるようになったと主張。公開されたドライブスルーの映像には、渡された3つの飲み物のうち1つがホルダーにしっかりと固定されていない様子が映っていたことなどから、賠償が認められたといいます」(フリーライター)
この判決を受けスターバックス側は「やけどを負った男性には同情するが、私たちに非があるという陪審員の決定は受け入れられない。賠償額も過大すぎる」との声明を発表。控訴する方針を明らかにしている。しかし、このまま裁判が長引けばスターバックスにとってはあまり良くない結果がもたらされる可能性があるという。
「スタバは日本では絶好調というイメージがあるかもしれませんが、本国アメリカなどでは業績不振に陥り客離れも起きています。原因としては、物価高のなか商品価格の高さに不満に感じる客が増えたこと、さらには中国のラッキンコーヒーなどライバルが台頭してきたことが挙げられます。アメリカではファーストフード店でのやけどに関する訴訟がたびたび起きていますが、今回はやけどした部分が部分だけに世間の同情論も強い。裁判が長引けば長引くほど利用者に悪い印象を与えかねません」(アメリカ事情に詳しいジャーナリスト)
1杯のホットコーヒーが、米スターバックスへの逆風をいっそう強めてしまうかもしれない。
(小林洋三)