オーバーツーリズムをクリアできるか…沖縄に誕生する超巨大「新テーマパーク」の問題点

 この夏、沖縄に新しいテーマパークが誕生することが1月28日に発表された。「ジャングリア沖縄」という名称で、7月25日に開業。「大自然の中で真にリアルなエンターテイメントを全身で体感できる」ことをコンセプトに掲げている。

 ロケーションは本島北部の今帰仁村(なきじんそん)と名護市にまたがり、パークの総面積は約60ヘクタール(敷地総面積は約120ヘクタール)と広大だ。

「同地はやんばると呼ばれる亜熱帯の豊かな自然が魅力の土地です。この自然を背景に、恐竜に出会う『ダイナソーサファリ』や、気球に乗って自然を楽しむなど、数十のアトラクションが用意されているといいます。インバウンド需要も見込まれそうですね」(社会部記者)

 気になる料金は、国内在住者の大人が6930円(税込み、以下同)、子どもは4950円だ。

 ちなみに、同パークを手がけるのは、かつてユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を再建した実績のあるマーケターの森岡毅氏。実は、同氏はUSJ時代にもこのパークの実現に向けて乗り出したことがあったが、USJの親会社が難色を示したために頓挫したという経緯があったという。

 そんな森岡氏が満を持して主導したパークだけに、関係者の期待も高まるのだが、一方で課題も指摘されている。

「パークへのアクセスは車やバスとなりますが、沖縄には慢性的な渋滞問題があります。発表の場にゲストで呼ばれた石破茂首相も、沖縄は北部へのアクセスに問題があり、改善に課題があると吐露していました。昨年11月には、内閣府や自治体による渋滞対策も示されましたが、同じころに隣接する名護市で行われた住民説明会では、『すでに工事で渋滞』との声が上がったそうです」(前出・記者)

 車の渋滞や人の混雑など、日本の多くの観光地ではオーバーツーリズムが問題となっている。同パークが同じ轍を踏まずに沖縄の新たな観光名所となるのか、注目されるのである。

(猫間滋)

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