「イカゲーム」は短時間で一気見が常識!? ネットフリックス「会員急増」ウラにあの機能

 米動画配信サービス大手のネットフリックスは1月21日、2024年第4四半期に過去最高の新規会員を獲得し、初めて有料会員数が3億人を突破したと発表した。スポーツ中継や話題作の続編の配信などが貢献したとみられているが、専門家によるとタイパを重視する人たち向けの“ある機能”も会員の増加に好影響を与えているという。

 同社によると、昨年10月〜12月の新規会員は1890万人増えて、有料会員数は前年同期比16%増の3億163万人となったという。11月15日に生中継されたマイク・タイソン対ジェイク・ポールの試合はピークで6500万人の視聴者を集め、12月26日から配信開始された韓国ドラマ「イカゲーム」の続編は「最も視聴されたオリジナルシリーズのひとつになる可能性がある」というほどの大ヒットを記録しており、こうしたコンテンツが市場予想を大きく上回る会員数の増加をもたらした。

「ネットフリックスが会員数を伸ばし続けているのには、“速度変更機能”も大きな要因のひとつだと考えられます。19年にテストがはじまり、翌20年から実装された同機能は、0.5倍〜1.5倍まで再生速度を変えられるもので、タイパを重要視するZ世代から好評を得ていました。しかし、近年では若年層以外の利用も増えていて、マーケティングリサーチ企業であるクロス・マーケティングが昨年実施した調査によると、20代〜60代の47%は倍速視聴の経験があると回答。21年からの3年間で12.6%も増加していて、50代〜60代のおよそ4割も利用していることが分かっているのです」(ITジャーナリスト)

 なお、速度変更機能はネットフリックスのライバルである「Amazonプライムビデオ」には標準装備されていない。

「映画関係者からは作品への冒涜と批判される機能ですが、利用者は増え続けていて、倍速視聴ができない動画配信サービスは利用したくないという人も少なくないのです。今後もライバルが速度変更機能を採用しないのであれば、ネットフリックスに乗り換える人がさらに増えるのではないでしょうか。ただ、倍速視聴は脳疲労をもたらすという医師の見解もあるので、利用しすぎには注意したほうがいいかもしれません」(同)

「イカゲーム」を倍速視聴で“一気見”が当たり前になりつつある。

(小林洋三)

エンタメ