これまで幾度となく繰り広げられてきた「持ち家vs賃貸」論争。どのような形態の家に住むのがよいかは人によって異なるため、結論の出ない永遠のテーマになっているが、ここにきて「賃貸」のデメリットが指摘されるようになってきた。
最近は突然、家賃が「2倍」に跳ね上がるというケースも出ており、途方に暮れる人も少なくないという。ある賃貸マンション住人は、昨年末、管理会社から一方的に家賃の値上げを求められたというが、これまで8万円だった賃料が倍の16万円に跳ね上がり、払えない場合は退去を検討するよう管理会社から求められたという。
土地価格を調査する「令和6年都道府県地価調査」によると、東京都区部の地価は5.4%と大幅に上昇しており、物価高と合わせて家賃の値上げに踏み切るオーナーも多い。また地域によっては一般に貸し出すよりも、インバウンド向けにした方が利益が出ることから、民泊業者に貸すケースも増えているという。
不動産ジャーナリストが語る。
「さすがに突然2倍になるケースはほとんどないですが、昨今、家賃の2~3割アップは珍しくありません。まずは管理会社と話し合いを進め、値上げの理由を確認。また周囲の類似物件の相場を調べて、大家側と交渉の材料にするのもいいでしょう。それでも落とし所が見つからなければ大家が調停を申し立てたり、決着しない場合は裁判になります。そこまでいけば時間も手間もかかるため、場合によっては別の物件を探したほうが賢明かもしれません」
持ち家は持ち家で、固定資産税のアップなどのデメリットもあるが、都心部では不動産価格が右肩上がりになっており、資産形成に繋がったという人も。
いずれにしても、もし急な家賃アップを求められた場合は、そのまま受け入れるのではなく、周囲の家賃相場などを確認し、話し合いの場を持つことが重要といえそうだ。
(ケン高田)