エアコンの国内出荷が好調だ。一般社団法人・日本冷凍空調工業会によると、2024年6月度の出荷台数は130万8088台で、前年比101.9%増。近年は1年の中で6月に販売台数のピークを迎えるため、今年も順調な売り上げが見込まれている。
多くの人は古い機種からの入れ替えだろうが、ところで旧機種の扱いはどうしているだろうか。購入時に販売店で「リサイクル料」を支払い、設置業者に引き取ってもらうのが一般的だが、これが1台あたり5000円~1万円ほどかかり、なかなかバカにできない金額だ。最近はエアコン専門の買取業者もあり、無料査定、高価買い取りを謳っているようだが…。
家電ライターが語る。
「買取店の多くは2019年以降の比較的新しいエアコンを対象にしています。場合によっては2~5万円くらいで売却できるでしょう。店によってはエアコンの取り外し料金も無料のため、該当する人は積極的に利用したいところです」
一方、かなり古い機種は金属スクラップの買取業者に持ち込むという方法もあるようだ。エアコンの室外機には銅が使用されており、1台持ち込めば5000円~6000円くらいにはなるというが、気をつけなければならないのは「無許可」業者への売却だ。
「環境省では廃棄物の処分に『無許可の回収業者を利用しないでください』と呼びかけています。家庭の廃棄物を回収できるのは『一般廃棄物収集運搬の許可』を持つ業者だけ。エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4品目については家電リサイクル法により、産業廃棄物収集運搬業者も排出可能ですが、『古物商の許可』では回収できません。不要家電の無料引き取りを謳い住宅街を回遊する業者もありますが、許可業者が軽トラック等で街宣しながら廃棄物を回収することはほとんどありません。後々のリスクを考えると、古い機種はリサイクル料を支払って処分した方が賢明です」(前出・家電ライター)
1円でもコストを抑えたいところだが、不要になったエアコンが「正しく」リサイクルできなくては本末転倒だ。取り外した旧機種の扱いには十分に注意したい。
(ケン高田)