新NISA人気「NTT株」は「今こそ買うべきか」徹底検証(2)「130円まで引きつけて購入検討」

 NTT株下落の理由はわかったが、この夏のボーナスで購入するか否か、迷っているビギナーは、どうすればいいのか。

「現在のNTT株は6月後半時点で、節目の価格である148~150円を超え155円前後で推移しています。テクニカル分析で買われすぎか、売れすぎかを判断するRSI(相対力指数)という指標が30を下回ると割安傾向なのですが、NTTは20から切り返しています。今後、下落相場になって140円を割るようだとかなり割安になっているとみていいでしょう。下値の節目として123円~130円も視野に入ってきます。このラインが一つの底値のメドになりそうですね。

 NTTに投資するならここまで下がることを見越した上で、その後の上昇を期待するという考え方は十分アリですし、下降すれば利回りも上がるので、高配当株として購入するのもいいと思います。自分がもし買うのであれば、130円くらいまで引きつけて購入を検討します」(上岡氏)

 ボーナスが出たからといってすぐに飛びつくのではなく、しばらく様子を見た方がよさそうだが、上岡氏は「今後、購入するつもりの人は『なぜNTT株を買うのか』という理由を明確にするべき」として、こう警鐘を鳴らす。

「新NISAがスタートして、そのブームに乗って1月の高値の時にNTT株を買った人は、なかなかその理由が説明できないのではないでしょうか。もし、これから長く投資を続けていきたいと考えているならば、買う理由にはこだわってほしいですね。

 というのも、仮にユーチューブやインフルエンサーの意見を聞きかじっただけで購入すると、下落した時に『騙された』と、容易に撤退してしまう。NTTの高配当を狙ってもいいですし、NTTは今後新たなAIのプラットフォームになるはず、など、結果として間違っていたとしても自分なりの理由を持って購入してみてください。そうした買い方を続けていけば、購入するべき株を見極める“審美眼”を鍛えることができるはずです」

 一時のブームに乗るのではなく、長く利益を出し続けていくために“審美眼”は欠かすことができないが、他にも投資家にとって心がけることがある。

「勢いで買うのではなく、ひと呼吸置いてから購入してほしいですね。私も買う時は必ず1、2週間空けるようにしています。基本的に価格が下がった時に買う方が勝率は高くなりますから、過去の株価の推移はもちろん、その会社の財務状況や企業の業績、方向性を確認します。このように考えると、NTT株が過去最高値を記録した1月は『いったん様子を見るべきタイミングだった』ということがわかるはずです」(上岡氏)

 また、短期間で株を売買するよりも、長期間での保有がオススメだという。

「NTT株であれば2、3年保有して200円、300円になることを期待するというスタイルです。そうした長い時間軸で考えることができれば、目先の2カ月の下落を気にする必要がなくなります。特に新NISAを機に投資を始めたビギナーの方は『中長期で儲かる銘柄を選ぶ』という方法がいいでしょう」(上岡氏)

 長い目で見れば株主優待で選ぶ方法もある。株価のニュースに一喜一憂するのではなく、どっしり構えるつもりで、自分に合った銘柄を探してみよう。

*週刊アサヒ芸能7月18・25日号掲載

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