NTTは25分割で1株170円台に!「新NISAスタート」前に株式分割企業が急増中

 6月29日の株式市場では、NTT株が売買高でトップになった。7月1日から同社株は25分割されるが、この日から分割後の株の売買が出来るようになったからだ。

「それまでのNTT株を購入するには100株単位で最低40万円以上が必要でした。しかし、25分割されることで2万円以下で買えるようになった。加えて同社株は100株以上の保有で、保有期間に応じて1500〜3000ポイントのdポイントが付与されることになりました。つまり、価格的に個人で気軽に買えるようになり、中長期保有すればそれだけポイントも貯まることになります」(経済ジャーナリスト)

 こうした背景により、NTT株の出来高が上がったわけだが、実は、同社に限らず、株の分割を行う企業は相次いでいた。

 例えば、ユニクロの「ファーストリテイリング」は3月1日付で3分割。他にも、4月1日付で世界的なロボットメーカーの「ファナック」、国内化学メーカー最大手の「信越化学工業」、東京ディズニーリゾートの「オリエンタルランド」がそれぞれ5分割し、半導体製造機器の「東京エレクトロン」が3分割している。ちなみに、ファナックは37年ぶり、東京エレクトロンは26年ぶりの分割だった。

「株式分割が相次いだ理由の1つが、東証が5万円以上、50万円未満の水準での投資単位を求めているからです。NTTの場合は、25という大型の分割を行いましたが、これは、新NISAのスタートが24年1月に控えていることも大きな理由でしょう。新NISAでは個人のマネーがより多く株式市場に流れ込むことが期待されており、企業はこれを取り込みたい。そこで分割を行う会社が相次いだのです」(前出・ジャーナリスト)

 新NISAのスタートを控え、株式分割企業や東証の思惑通りに新規の個人投資家が参入してくるのか、注目されるのである。

(猫間滋)

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