クレジットカードの国際ブランドといえば「Visa」「Mastercard」「アメリカンエキスプレス」「ダイナースクラブ」「JCB」の5つが主流。
シェア1位はVisaで、日本では約50%を占めており、特にアメリカ方面に強いとされている。一方、ヨーロッパ圏に強いのはMastercardだ。また、アメリカンエキスプレスやダイナースクラブは、ステータスが高いことが特徴で、主に高額所得者層に人気が高い。
一方、日本で生まれた唯一の国際ブランド「JCB」は、海外旅行でトラブルがあった際にも、日本語でサポートを受けられるのが魅力だが、他のブランドに比べて加盟店が少なめでこれまで海外では「使えない」という声が多かった。
ところがここに来て「JCBを持っていて良かった!」という声が相次いでいる。背景には「オタク層」を取り巻く、切実な事情があったのだ。
マネーライターが語る。
「実は艶系総合サイト『FANZA』や動画配信サービス『ニコニコ動画』、クリエイター支援サイト『Ci-en』、二次元総合販売サイト『DLsite』などが軒並みVisaやMastercard、あるいは両方の利用を停止しているのです。背景にはアメリカのアダルトサイト『Pornhub』が児童性虐待動画の拡散で訴えられた裁判で、決算に使われた『Visa』が収益化に加担したと認定されたことがあります。これにより『Visa』『Mastercard』はコンテンツ販売事業者に対し、ポリシーを大幅に厳格化。そうした厳しい表現規制によってコンテンツ事業者と条件が折り合わなくなっているのです。そこで残ったのが『JCB』。過去になんとなく作り、財布にしまったままになっていたオタク層には、まさに救世主というわけです」
「JCB」は加盟店手数料が高いこともあり、これまで加盟する飲食店や小売店は決して多くなかった。しかし昨年4月1日から順次3.74%から3.24%へと引き下げられることが発表され、今では他のカードと同水準になっており、徐々にシェアを伸ばしている。
オタク層だけでなく、世の男性にとっては艶系も欠かすことの出来ないコンテンツだ。まさか「JCB」がこれほど脚光を浴びる日が来るとは、誰も予想していなかったのではないだろうか。
(ケン高田)