打者に専念する今季は打率、本塁打数ともに好調で、ナ・リーグ西地区首位を快走するドジャースのけん引役となっている大谷翔平選手。代名詞となっている鋭い打球速度も健在で、4月27日のブルージェイズ戦で母校・花巻東の先輩にあたる菊池雄星投手から安打を放った際の打球速度は、今季MLB最速となる119.2マイル(191.8㎞)。
しかし、これはあくまで野球という一種目の中での話。競技の枠を超えて見た場合、これよりも早い速度でボールを打つ日本人アスリートは複数存在する。その代表格がゴルフ。22年に松山英樹と合同トレーニングを行った世界ドラコン選手権の優勝経験を持つE・フェルナンデスは、ツイッター(現X)に彼の打球速度が191.4マイル(307.7㎞)であったことを明かしている。
「300㎞超えは簡単ではないですが、200㎞以上は男子プロならほぼ全員がクリアします。また、女子のツアープロでも大谷選手以上のスピードでボールを飛ばす選手は少なくありません」(スポーツジャーナリスト)
テニスでも男子プロのファーストサーブの打球速度は200㎞を超える。ノータッチエースを連発するようなビッグサーバーではなかった錦織圭選手ですら全盛期には200㎞前後のサーブを放っている。
「ちなみにあの松岡修造氏の現役時代のサーブの最高速度は220㎞。ただし、22年に引退した添田豪氏が15年全豪オープンで222㎞を記録し、これがテニス界の日本人最速と言われています」(同)
しかし、ゴルフやテニスをスピードで凌駕するのがバドミントン。厳密にはシャトルになり、形状はボールと異なるが23年には時速565㎞のスマッシュがギネス認定されている。
これは試合中に出した記録ではないが、先日引退した元世界ランキング1位の桃田賢斗氏も強力なスマッシュを武器にしており、最高スピードは400㎞。大谷選手の今季最速の打球の倍以上速いということになる。
競技が違えど速い打球を放てる選手は、それだけで魅力的に映るもの。今後、スポーツ観戦する際のポイントのひとつにしてみるとより楽しめるかもしれない。