ヤクルトが本拠地とする神宮球場のチケット代が「限界突破」していると、野球ファンをザワつかせている。
5月10日からはホームで巨人戦が行われるが、チケットの売れ行きは好調なようで、席によってはすでに売り切れも出ている。
野球ファンならご存じだろうが、神宮球場では「ダイナミックプライシング」が導入されており、客足の動向など様々な要素を元に価格を設定している。11日の第2戦は土曜日ということもあり、チケット価格が一番高い「プレミア」に指定されているが、さらに価格が跳ね上がっているのだ。
通常、1塁側のSS指定席は7000円だが、2万200円と2万円を突破。またネット裏のSS指定席も通常の7000円から1万円2000円近く上乗せされ、1万8900円になっている。家族4人で観戦したら、飲食を含めて10万円近くかかる計算になり、気軽に観戦することはもはや不可能。ちょっとした家族旅行並みの出費といっていいだろう。
スポーツライターが語る。
「神宮のダイナミックプライシングは安くなることよりも高くなることの方が多く、ファンからの評判はあまりよくありません。ヤクルトのファンクラブ会員であれば若干の割引がある『CREW価格』が適用されるのですが、ファンからは狂乱物価になぞらえて『狂う価格』と揶揄する声も上がっています。かつては外野自由席であれば1000円ほどで入場できましたが、すっかり過去の話になりましたね」
とかく批判の多いダイナミックプライシングだが、実は安くチケットを購入できる方法があるという。スポ―ツライターが続ける。
「チケット販売がスタートしたらすぐに購入するのです。人気のある試合は時間がたてばたつほど価格が上がるので、その前に買ってしまえばいい。ただ先の見通しがつかない人もいますから、前もってスケジュールを立てておく必要がありますね」
ダイナミックプライシングはZOZOマリンスタジアムを本拠地にするロッテも導入しているが、神宮ほど露骨に高騰しないため、そこまで問題視されていない。「高ければ買わなければいいだけ」という声もないわけではないが、やはりファンとしては球場に直接足を運んで応援したいのが心情というもの。
プロ野球観戦が、めったに行けない「特別イベント」になってしまっては、ファンの裾野は広がらないのではないか。
(ケン高田)