【特別対談】蛭子能収×梶原しげる「認知症を生きる」(2)「デイサービスではアクティブです」

梶原 今日はデイサービスから来られたんですよね?

蛭子 はい、週に4回ほどのペースで通っていて、仕事があるたびにその施設や自宅までマネージャーが迎えに来てくれます。

梶原 デイサービスは楽しいですか?

蛭子 歌ったり、絵を描いたり、散歩したり。アクティブに過ごしています。

梶原 私も来るべき日が来たらデイサービスにお世話になるかもしれませんが、楽しいところだと聞いてひと安心です。ちなみに、これから桜の季節ですけど、蛭子さんは花見に行かれる予定はありますか?

蛭子 誰か誘ってくれる人がいれば行くけど、そんな人誰かおったっけ?

蛭子さんのマネージャー 私や蛭子さんの奥さんが誘っているじゃないですか(笑)。

——とはいえ、蛭子さんは「花より団子」。後期高齢者にして食欲は衰えず、取材当日も朝昼の食事をデイサービスで完食している。自身のプロフィールに嫌いな食べものとして記載してある青魚までペロリと平らげたとか。

梶原 外食には行かれるんですか?

蛭子 え〜、焼肉によく行きますね。今でもカルビばかり食べてしまいます。

梶原 そんな脂っこいものを食べたら胃がもたれそう。でも、若者好みの食事を食べているだけに肌ツヤがいいですね。

蛭子 ありがとうございます。認知症だけど内臓は健康なままですよ。

——今日はおふたりのためにおはぎを用意しました。

梶原 これは競艇とは何か関係があるんですか?

梶原さんのマネージャー(以下、梶原(マ)) 少し前の競艇の話に引っ張られている(笑)。おやつを差し入れしてもらったんですよ。

梶原 そうですか。あれ? 蛭子さん! 何をしているんですか?

——割り箸を割るなり1本の箸をポキポキと折って4等分に。即席の爪楊枝を手にして「いただきます」と静かにおはぎにかぶりついた。その勢いたるや、梶原さんの分まで独り占めしそうだ。

梶原 見事な食べっぷり!

蛭子 おいしいです。だけど、みんなにこれを食べさせられないのが悲しいね。

梶原 私のも残しといてくださいよ(笑)。

(つづく)

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