カタールで開催中のサッカーアジア杯は、2月7日(日本時間)に行われた準決勝第1戦でヨルダンが韓国を2-0で下し、東アジアの国が全滅した。日本は準々決勝でイランに敗北してサッカーファンを意気消沈させたが、東アジアの隣国でも今大会の結果について様々な受け止められ方をしている。
まずは日本国内の声。
「韓国がヨルダンに負けたことで、日本では『日本アジア最強説』なるものが持ち上がりました。というのも、日本は1月14日の予選リーグ初戦のベトナム戦を前に、9日にヨルダンと非公開の練習試合を行ったのですが、6-1の大差でヨルダンを撃破していたからです。しかも三笘薫、久保建英、冨安建洋といった主力は別メニュー調整で試合に出ていません」(スポーツライター)
それでも、本番の一発勝負は“別物”というのは、今回もイラン戦で痛いほど思い知らされたところだ。
ベスト4まで残って、東アジアで最高成績を残した韓国はどうか。
「韓国は1960年以来優勝がなく、アジア制覇は悲願。ところが大会前の代表チームの成績は芳しくなく、かつてのドイツ代表で1990年のW杯優勝(西ドイツ)のエースだったユルゲン・クリンスマン監督への風当たりはかなり強かった。日本が予選リーグでイラクにまさかの敗北を喫してグループリーグ2位通過が決定すると、FIFAランキング23位の韓国代表は予選リーグ最終戦で同146位のマレーシアに3-3で引き分け。韓国国内では『大恥をかいた』『監督更迭しろ』と嘆く声が出る一方で、1位通過して決勝トーナメント初戦で日本と当たらずによかったと安堵する捉え方もありました」(同)
サッカー強国を目指していた中国はもっと悲惨だ。予選3試合の得点がゼロで、辛うじて得失点差でレバノンを上回ってビリを回避できたという惨憺たる結果。ところが、自国のことを棚に上げて隣国を罵ることには余念がないようだ。
「韓国がマレーシアと引き分けると、中国では“日本戦回避”とも報じられました。それを載せたネットニュースのコメント欄には『つまらん韓国ドラマ』『恥知らず』といった意見が続出。また日本がイランに負けた時も、『怠惰なプレー』『いったい何をしているのか』との激辛批評。また、決勝トーナメントで韓国がヨルダンに負けた時には、ランキングは下位ながら躍進したヨルダンを称える報道が目立ちました」(同)
不甲斐ない自国の代表もヨルダンを見習ってほしいとの思いなのだろうが、隣国に対してはケチをつける辺りは“イカニモ”といったところ?
(猫間滋)