中日・柳裕也投手が契約更改を保留し、ちょっとした騒ぎになってしまった。
「アップ提示を受けたようです。金額に不満があったのではなく、自身の評価や球団全体について改めて話をしたかったようです」(名古屋在住記者)
今季の柳の成績は4勝11敗。だが、2.44の防御率が示すように、黒星先行となったのは、味方打線の援護に恵まれなかったからだ。
「8月13日の広島戦では、9回までノーヒットノーランでも勝ちがつきませんでしたからね」(前出・同)
7月23日の広島戦からシーズン終了まで、柳が投げた10試合は打線の援護が1点以下という目も当てられない状況。本拠地・バンテリンドームでは11試合に先発したが、1勝もできなかった。
そんな柳の保留を受けて、「FA権の取得時期」がクローズアップされた。取得まで「1年と20数日が不足」と一部では伝えられていたが、
「2020年を調べ直したほうがいい」
と、各メディア、関係者が確認を急いだ。
出場選手登録は145日を1年として換算しているが、20年はコロナ禍で試合数が削減されている。そのため、一軍登録された日数に「1.3倍」する計算になっている。
「また、グラウンド上での故障には特例措置が設けられています。ケガで出場登録を抹消された日から二軍戦に出場するまでの間を一軍登録としてカウントするルールがあるんです」(球界関係者)
その20年、柳は故障で一軍登録を抹消された期間がある。しかも、その日数を「1.3倍」する特別な年だ。「20数日はその1.3倍でクリアされているのではないか?」とザワついたというわけだ。
結論を先に言うと、FA取得やはり再来年だった。では、なぜ周囲が確認にはしったかだが、柳はドラゴンズの選手会長も務めている。言動もピッチング同様冷静沈着な彼のこと、「保留」という強気な態度に出れば、他選手に影響することも分かっていたはずだ。それでも保留したのは「不満爆発して、来季オフの決別を意識してのことだったのではないか」と勘繰られたからだ。
「小笠原慎之介も保留しました。小笠原も打線の援護に恵まれませんでした」(前出・名古屋在住記者)
球団は投手陣としっかり話をし、納得させなければ、チームはバラバラになってしまう。今から来シーズンが心配になってきた。
(飯山満/スポーツライター)