「彼こそ闘志だ!」と中国で大絶賛 「処理水放出反対」でハンストした韓国の大物政治家

「敵の敵は味方」と言うが、最近の韓国と中国にもそれが当てはまるようだ。韓国野党「共に民主党」代表の李在明氏の中国での人気である。

 韓国3大新聞のうち、「中央日報」「朝鮮日報」の2紙がこの現象を相次いで取り上げ、中国版TikTok「抖音」の投稿リストが李氏の映像で埋め尽くされていると報道した。

「李氏は福島原発の処理水放出に反対を掲げて、約1カ月のハンストを行ったことにより注目されました。『汚染水闘士』などと呼ばれて、中国全土から絶賛のコメントが寄せられています。そして中央日報では、ガールズKポップ・BLACKPINKの新曲MVが11万、BTSを紹介した映像が6万6000の『いいね』を集めている一方、李氏のそれは10万以上も集めていると報じています」(外報部記者)

 最近の韓国では反日以上に反中を標榜する国民が増えているといわれる。韓国大統領が尹錫悦氏になってからその傾向が強くなり、6月には日米韓が連携を深めていることに対し、駐韓中国大使が「後悔する」と発言したことが問題視され、韓国内で大使の「追放」を求める声が高まったこともある。

 ところが、処理水の海洋放出を巡っては呉越同舟とでもいうべき状況になり、李代表が英雄視されてしまったようだ。もっとも韓国国内では、これを冷ややかな目で見ている人も多いという。

「李氏がハンストを始めた理由の1つに処理水の放出反対があったのは事実ですが、一方で、李氏が地方自治体の知事だった4年前に、北朝鮮へ不正な送金を行った疑いで検察から逮捕状が出ていたからとも言われているのです。李氏がハンスト19日目で病院に運び込まれることになると、法務大臣が『検察からの召喚通知を受けてから始まるハンストを初めて見た』と、皮肉を込めたコメントをしたほどです」(前出・記者)

 逮捕を逃れるためにあえて過酷なハンストを行って病院に逃げ込んだのでは、というわけだが、中国人にとってはそうした事情はあまり関係ないらしい。いまだに「汚染水闘士」は悲劇の英雄となっているという。

(猫間滋)

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