ガザ地区への空爆を繰り返し、地上侵攻も秒読み段階のイスラエル。18日には米国のバイデン大統領が訪問し、ネタニヤフ首相と会談。全面支援することを改めて伝えたが米国各地ではイスラエルに抗議するデモが発生し、批判の矛先は大統領にも向いている。
「実際、就任当初からバイデン大統領の外交能力には疑問符が付いており、ウクライナ情勢にしても米国は本来、軍事衝突する前に仲裁すべき立場にありました。それができずにロシアの軍事侵攻を招いてしまったのは外交上の致命的なミスです。イスラエルにしてもハマスの襲撃に対する報復攻撃は仕方ないにしても抑えが効かない今の状況を回避できず、『世界のリーダーとして失格』の烙印を押されています」（大手紙記者）
米国内の掲示板サイトでも《外交はトランプのほうが上手くやっていた》《トランプにも問題はあるけど、バイデンよりはマシかもしれない》といったコメントが溢れ、トランプ前大統領の外交手腕が再評価されている。
確かに、トランプ氏はプーチン大統領や中国の習近平国家主席とも良好な関係を築き、イスラエルとUAE、バーレーン、スーダンの中東3カ国との国交正常化に尽力。特に中東和平への貢献度は米国の歴代大統領の中でも大きい。
「あの強烈すぎるキャラの影響でイロモノ扱いされていますが、実利で交渉する外交センスは悪くない。『独裁的な指導者に媚びを売っていた』と批判する専門家もいましたが、中国やロシアとの関係も今より良かったのは事実です」（同）
それでもバイデン大統領の外交失敗が、次期大統領選で復活を目指すトランプ氏の追い風にはならないという。
「今年8月、20年大統領選の結果を不正に覆そうとしたカドで起訴され、5月には90年代に行ったとされる性的暴行で500万ドルの賠償命令を受けました。どちらも本来なら致命的なスキャンダルですし、さらに側近の離反も相次いでいます」（同）
外交面に加え、経済政策も一定の評価を得ていたが、これら実績を鑑みても問題があまりに多すぎるトランプ氏。今も共和党の最有力候補には変わりないが、返り咲きできるかはかなり危うい状況のようだ。
