バイデン大統領に撤退論噴出で民主党が画策する「差し替え候補」はアノ人

 あのデーブ・スペクターも思わずXで《大統領候補者討論会を観た率直な感想→米国の皆さん、ホントにこの2人のどちらかで良いの?》とポストし、フォロワーから《あれって、公共の電波を使ったおじいちゃん同士のけんか中継ですか?マジでアメリカ、大丈夫か?》との声が続出したのが、現地時間6月27日夜に行われたバイデン大統領とトランプ前大統領によるテレビ討論会だ。

 両者による直接対決は2020年の大統領選挙以来4年ぶりだったが、握手もなく、ただただ互いを「史上最悪の大統領だ」などと罵り合い、目も合わせることなく討論会は終了した。全国紙外報部記者の話。

「内容的には、普段から両氏が支持者を前に語っている話の延長ですが、やはり印象的だったのは、声がかすれ、たびたび言葉に詰まるバイデン氏の精彩を欠く姿。言い方は悪いですが、4年前と比べ劣化しているのは明らかで、あれでは視聴者に認知能力低下の懸念を知らしめてしまったことは否めない。案の定、翌日には米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が、バイデン氏に撤退を求める社説を掲載しましたが、民主党内でも今回の討論会を『バイデン氏の事実上敗北』と捉える声が大半を占めたと言われます。一部には、バイデン氏の出馬取りやめを説得する動きが出てきたとの報道もあり、民主党候補を正式指名する8月の党大会を前にした交代論も真実味を帯びてきているようです」

 バイデン氏は討論会が行われた翌28日、南部ノース・カロライナ州での選挙集会で聴衆を前に演説。党内での動きを肌で感じているのか、前日とは打って変わった力強さで「私は以前ほど楽に歩けない。以前ほどスムーズにも話せない。議論も以前ほどうまくはできない。だが、真実を伝える方法は知っている。そして、この仕事をどうこなせばよいのかも分かっている」と強調。「何百万もの米国人が知っているように、(私は)打ちのめされても立ち上がることができる。(トランプ氏に対しては)討論会でついたうその数で新記録を樹立したと思う」と、時には拳を突き上げるような仕草も見せながら約20分間の演説を終えた。

 とはいえ、やはり討論会での失態が、民主党内に与えた衝撃は大きかったようで、党内からはすでにバイデン氏に代わる人選として、バラク・オバマ元大統領夫人のミシェル・オバマ氏の名前が挙がっている、との報道もある。

「一般的に考えれば、ハリス副大統領が後継者候補となるべきなのでしょうが、なにせハリス氏はバイデン氏以上に全く人気がない。ただ、今回の選挙ではいかに有権者である黒人層を取り込むことができるかが、大きなカギを握っているといわれていますからね。となると、ミシェル氏を大統領候補に据えハリス氏が副大統領候補となれば猛烈なアピールにもなり、同時にハリス氏に対し顔も立つ。水面下では既にバイデン氏の首に鈴を付けると同時に、ミシェル氏出馬の説得工作に入っているとの情報もある。土壇場で形勢が一気に逆転する可能性もあるということです」(同)

 仮にミシェル氏が出馬するようなことになれば、大どんでん返しも考えられるが、はたしてトランプ氏はどう出るのか。全世界がその行方を注視している。

(灯倫太郎)

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