国に支援を断られた…「国立科学博物館」が窮余のクラファンで4億円!

 東京・上野にある国立科学博物館(科博)が、コロナ禍や光熱費、原材料費の高騰の影響で資金難となっていて、標本・資料の収集・保管が危機的状況にあるとして目標総額1億円のクラウドファンディングを7日に開始。わずか9時間半で目標額を達成し大きな話題となっているが、その一方で国立であるにも関わらず支援をしない国に対して批判の声が殺到している。

「科博によると、2021年に約2億円だった光熱費が今年度はおよそ倍となる3億8000万円になる見込みだといいます。その一方で新型コロナウイルスの感染拡大によって一時は入場者数が激減し、入館料収入は1億5000万円まで落ち込んだ年もあり、深刻な資金不足に陥っているのです。クラウドファンディングのプロジェクトページに掲載された動画の中で、篠田謙一館長は『(資金不足によって)受け入れを断らなければならない標本もあります』と窮状を説明し、地球の宝を守るためにもクラウドファンディング実施を決意したと熱く語っているのです」(社会部記者)

 クラウドファンディングでは、オリジナルグッズがもらえたり、普段は入れない収蔵庫を見学するバックヤードツアーなど、返礼品を40種類以上用意した。すると、開始と同時にサイトにはアクセスが集中し、返礼品の個数が限られているものはあっという間に完売状態となり、8月8日午後には支援総額が4億円を突破。目標の4倍以上の支援が集まっている。

「9時間半で1億円を達成するということは、それだけ注目度が高く、支援したい人が集まったという点では素晴らしいことだと思います。ただ、科博の窮状を知りながら財政支援をおこなわない日本政府には疑問を感じずにはいられません。過去には国立天文台の野辺山宇宙電波観測所が財政難からクラウドファンディングを実施したこともありました。いま、自民党女性局員のフランス海外視察が血税で観光旅行をしていると大炎上していますが、税金はもっと有意義な使い方をしてもらいたいものですね」(フリージャーナリスト)

 なお、科博のクラウドファンディングは11月5日まで支援を受け付けている。興味のある人は確認してみてはいかがだろうか。

(小林洋三)

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