安倍晋三元総理が応援演説中に銃撃され、命を落としてから1年が経ったが、自民党の最大派閥である安倍派(清和政策研究会)の会長のポストは空席が続いていた。
現在は塩谷立衆院議員と下村博文元政調会長が会長代理を務め、運営を仕切っている。しかし、一枚岩とはなっていないようで、派内では新体制の構想が持ち上がっていた。
「元派閥会長の森喜朗氏は、高木毅国対委員長、西村康稔経済産業相、松野博一官房長官、萩生田光一政調会長、世耕弘成参院幹事長の『5人衆』による集団指導体制が望ましいと提案しています。そんな中、7月6日に党本部で安倍派の会合が開かれると、リーダーは1人だと主張する塩谷・下村側と、派閥の運営を主張する『5人衆』が真っ向から対立。議論は平行線のまま、持ち越しとなりました」(政治ジャーナリスト)
7月10日放送の情報番組「ひるおび」(TBS系)でも「5人衆」の話題を取り上げた。番組では、「(5人の中で)誰が会長になっても退会者が出る」という思惑に触れると、政治ジャーナリストの田﨑史郎氏は「萩生田さんがちょっとリードしている」として、「ポスト安倍」の筆頭候補に挙げ、理由をこう説明した。
「色々な政局の話をしているじゃないですか。その時にちゃんと判断できているかどうか、後々に検証するとわかるじゃないですか。『あの時、萩生田さんの判断は正しかった』ということが多い。5人とも携帯番号を知って話すことがあるわけですよ。だから誰かをけなすことができないんです」
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と深い関係が取りざたされた萩生田氏を猛プッシュしたことに、視聴者は納得いかなかったようで、《お友達だから批判できないと言うジャーナリストに解説させてどうする…?》《平気でこういう発言ができるあたり、麻痺してるよな》などと、SNSは大ブーイングとなった。先の政治ジャーナリストはこう話す。
「田﨑さんといえば政権御用達のジャーナリストとして視聴者の間で認知されています。特に萩生田氏への肩入れが強く、昨年7月の銃撃事件直後にも、『安倍さんが最も政治家として評価されていたのは萩生田経済相』とコメント。今年1月にも四国新聞で、『軍師・萩生田 信頼厚く』と擁護するコラムが掲載されました。理由はさておき、そうした流れもあって、またヨイショしているのかと、冷ややかな目で見られてしまうのでしょう」
いっそのこと、「安倍派」の看板をおろしてはどうか。
(風吹啓太)