サッカー日本代表は、6月15日と20日に行われた国際親善試合で、エルサルバドルに6−0、ペルーには4−1で大勝した。この快挙にスポーツ紙の見出しは「強すぎる日本代表」「えげつない破壊力」などと賑わった。
一方、両国と対戦した韓国代表は、16日にペルーに0−1で負け、20日にはエルサルバドルと1−1で分けた。
「全く同時期に同じ国相手に対戦したのですから、結果はそのまま日韓代表の現在の実力と見ていいでしょう。直近に行われた3度の日韓戦でも日本は、19年の東アジア選手権では0−1で敗れたものの、20年の国際親善試合、21年の東アジア選手権はいずれも3−0で快勝しています。今回のペルー、エルサルバドル戦でもわかるように、日韓の実力差が広がっているように思えます」(スポーツライター)
ところが、日本はこの結果の上に胡坐をかいてはいられないようなのだ。
「5月21日からアルゼンチンで行われていた、U20のワールドカップでの日韓代表が残した結果が、A代表とは全く逆なのです。韓国は『谷間の世代』と言われながら、終わってみればベスト4という好成績。準決勝のイタリアに敗れるまでは負けなしでした。一方の日本は予選リーグ敗退。1勝2分で1勝しかあげられなかった。冨樫剛一監督は、大会前は『世界一を目指す』と豪語していましたが、結果は散々。グループリーグ敗退は22年ぶりですからね」(前出・スポーツライター)
メンバーには、高卒ルーキー以来ずっとFC東京でレギュラーを張っている松木玖生に、今年3月に高校を卒業するといきなりドイツのクラブに加入して、この年代最高のストライカーとされる福田師王など、U20でありながら海外組が4人も含まれていた。ただ、それ以外のメンバーとなると、J2所属の選手や大学生が多い。「小粒感が否めない」と言われていた通りの結果になってしまったのである。
今後も日本の実力を維持するには、今回の代表戦の結果に浮かれることなく長期的な視野に立って若手を育てていくことが求められるのである。
(猫間滋)