NHK朝ドラ、わけあって爆死しました(1)倉科カナ「ウェルかめ」

 広瀬すず主演の連続テレビ小説「なつぞら」が絶好調だ。朝ドラ100作目として、失敗の許されない作品と宿命づけられていたが、視聴率は20%超えでその期待にみごと応えている。その一方で過去には、大いに期待されながら視聴率に結びつかなかった残念な作品も多々ある。その苦い歴史をひもといていこう。
 
 過去99作品が放送されたNHK朝ドラで、全話視聴率13.5%と視聴率ワースト1位(1963年以前は不明)を記録したのは、倉科カナが編集者役のヒロインを務めた「ウェルかめ」(2009年)だ。放送当時はドラマウォッチャーからも酷評されたりしたが、“敗因”は何だったのか?

「都会的で派手な顔つきでナイスバディの倉科が徳島の田舎で明るく頑張るという現実離れした設定が、朝ドラのメイン視聴者である主婦層に受け入れられませんでした。しかも、都会の編集部で夢破れて徳島の地方誌に移るという都落ちぶりが、ヒロインの成長を楽しむパターンが多い朝ドラには不向きだったとも言えます」(テレビ誌ライター)

 その一方で、倉科のFカップバストを隠そうとしないNHKとしては思い切った演出は、マニアから高い評価を受けている。なかでも通り雨でズブ濡れになったシャツからアンダーウエアが透けて見えるシーンは今でも語り草だ。

 続いて、全話視聴率13.8%で僅差のワースト2位となったのは、多部未華子が初の平成生まれヒロインを務めた「つばさ」(2009年)。奇しくも同じ年の前期・後期放送作品がワースト1、2となった。

 内容は、和菓子屋の跡継ぎがひょんなことからコミュニティラジオ局の立ち上げにかかわるというお話で、朝ドラ好きの高齢者層には少々チンプンカンプンだったかもしれない。
 
「さらにはサンバダンサーが登場するなど、現実を超越したバラエティ的な演出は、当時の朝ドラには実験的に過ぎました。そのため多部自身の演技は評価されたものの、それを帳消しにしてしまった格好です」(前出・テレビ誌ライター)

 そしてワースト3位は全話視聴率15.9%、いまや大物女優の貫禄も漂う榮倉奈々の「瞳」(2008年)。本作もNHKの目論見が透けて見える作品だったという。

「当時の朝ドラは若者層を取り入れようと迷走しており、ヒロインがダンサーを目指すという設定の時点で不安の声があがっていました。しかも榮倉はもともと運動が苦手。ダンス仲間役の満島ひかりがカバーはしていたものの、肝心の若者からも『ダンスが下手』と酷評されたのです」(芸能記者)

 昨年の主演作「anone」(日本テレビ系)が大苦戦していただけに、広瀬も内心ホッとしていることだろう。

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