近年は健康不安説が絶えないロシアのプーチン大統領。だが、一方で若いころからさまざまな格闘技を学んできた〝達人〟としても知られている。
国際柔道連盟からは名誉会長職を剥奪されたが段位は5段で、00年の来日時には聖地・講道館での練習にも参加。大統領公邸の敷地内にある柔道場で公務の合間に汗を流していたのは有名な話だ。
他にもテコンドー9段、空手8段と複数の武術の段位を持ち、さらにソ連時代の軍隊格闘術だったサンボ、ジョージアの民族格闘技チタオバにも精通。大学時代にはサンボのロシア学生王者になり、柔道でもレニングラード州の大会で優勝した記録が残っている。だが、気になるのはその実力。本当にいまでも達人と称されるほどなのだろうか?
「過去の写真や映像を見ると、胸板の厚い身体つきから定期的にトレーニングを重ねていたことは想像できますが、達人はさすがに言いすぎ。大学卒業後、ソ連国家保安委員会(KGB)に入ってさらに技術を磨いたとの記録もありますが、大会には出てないようですし、あくまで自らを律するため趣味レベルで鍛えていたのでしょう。柔道はともかく、テコンドーや空手に関しては現地の連盟が段位を授けていますが、名誉的な授与という側面もあったようです」(格闘技ジャーナリスト)
しかし、国の指導者として格闘技経験があることは「強いリーダー」を演出するに格好のアピール材料となる。このイメージ戦略は国の統治に大いに役立ったようだ。
「“強い大統領像”はプロパガンダとはいえ、若かりし頃のプーチンが様々な格闘技を修め、それなりの格闘技術を有していたことは事実。組み技も打撃もどちらもイケますから、最近話題の格闘技イベント『ブレイキングダウン』に20代のプーチン大統領が参戦したら大活躍していたかもしれませんよ」(前出・ジャーナリスト)
もしプーチン大統領が政治ではなく格闘技の道に進んでくれていたら、世界はいまより平和だったかもしれない。