ウクライナを電撃訪問した岸田文雄総理がゼレンスキー大統領に贈呈した「必勝しゃもじ」が物議をかもしている。3月24日には立憲民主党の石垣のりこ参院議員が国会で「必勝というのは不適切ではないか」と質問、日本維新の会の馬場伸幸代表も記者会見で「ノーセンス」と一刀両断し、「お気楽すぎるんじゃないですかね」と批判していた。
必勝しゃもじの問題を取り上げたのは、3月28日放送のテレビ朝日「大下容子ワイド!スクランブル」。番組では、ロシアの国営タス通信の「日本の総理はゼレンスキーに日露戦争の兵士のお守りを贈った」という報道を紹介し、日露戦争当時、日本の軍人が広島の厳島神社に奉納した縁起物であることを伝えた。
番組MCの大下容子アナが「しゃもじについて衆参ともに議論になっていることをどのように見ていますか」と話を振ったのは、エッセイストの吉永みち子氏。吉永氏は「饅頭とかしゃもじとか、なんでこんなことが日本では国会で議論になってるのかなと思いますけれども」と前置きして次のように語った。
「まあ、ウクライナの国民の激励のためって言ってもね、ウクライナってご飯食べないんだから、しゃもじがそもそも何に使うものかわかんないし」
さらに、この必勝しゃもじについて、吉永氏はこう続けた。
「学問で受験を突破するとか、スポーツとか、商売とか、幸運とか、平和的なものの必勝であって、何か違うようなって感じがしますよね。平和な国々を訪れる外交的な行事の中で広島県知事が持って行くのだったら何の問題もないものなんだろうという気がするんですけれども、やはりもうちょっとね、客観的にいろんなことを判断する、想像するっていうことが、きめ細かな日本っていう割には雑な感じがしますね」
この「ウクライナの人はご飯を食べない」という批判には、ネット上で《お米食べるとか食べないの問題じゃない》《ウクライナの人だって米は食べるよ、訂正して》《縁起物なんだからそこにツッコミ入れなくても…》といったコメントが寄せられていた。
「確かにウクライナの主食はパンで、日本のように白米を食べる文化はありませんが、おかゆにして食べる習慣があります。実際、昨年3月に福井県はポーランドに避難したウクライナ国民のために、パックご飯を約1万食発送しています。ウクライナの人がお米を食べないというのは誤解を招く表現だったかもしれません」(ウェブライター)
必勝しゃもじには「敵をめしとる」という意味が込められているという。28日にはロシアが日本海で巡航ミサイルの実射演習を行ったが、シャレが通じる国ではなさそうだ。