「ワイドスクランブル」で紛糾、自民党議員の「消しゴム10円発言」に怒りの声

 政治と金の問題をめぐり、自民党は4月23日に政治資金規正法改正の改革案を取りまとめた。国会議員の責任を明確にする“連座制”については、「確認が不十分な議員」と条件をつけたことで、野党からは「なんちゃって連座制」と猛批判を浴び、世間からも《改革する気ゼロ》《どこまでも裏金にしがみつく自民》などと厳しい声が寄せられている。

 そんな折、4月30日の情報番組「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)に自民党の牧原秀樹衆院議員(無派閥・写真)が生出演。コメンテーターの批判をかわす中で発した一言が視聴者の怒りを買っている。

 条件付きの“いわゆる連座制”について、ノンフィクション作家でコメンテーターの吉永みち子氏が「そもそも収支報告書って、提出された時点で議員は内容を確認しているものじゃないんですか」と切り込み、「それを今さら確認とか言ってるのって何なんだろう」と述べ、改革案についても「最後の最後にいちばんユルい案を出してきた」と批判した。

 これに牧原氏は「刑事罰が盛り込まれているのは自民党案だけ」「甘い案ではない」と反論。さらに収支報告書についても顧問税理士がついて、領収書をチェックしていると説明し、こう弁明した。

「日々の活動の中で、『領収書は1円から』ということで、コンビニで10円の消しゴム買ったって、10円の消しゴムあるかは別として、ぜんぶ領収書がすごい数ついているわけですね。うちでいえば年間の会計は5000万円弱くらい。それをぜんぶ領収書を見て確認する。ガソリン、駐車パーク。100円200円の領収書もぜんぶ。これを確認するのはデジタル化とは別の問題として、収支を確認するのはものすごい作業」

 これに吉永氏は「一般の人も厳しく領収書集めたりしてますからね」と返していたが、SNSでも《この物価高で10円の消しゴムはないわ》《どんだけ浮世離れしてんだ》《これが自民の金銭感覚》などと怒りの声が寄せられていた。

「牧原議員は領収書を1枚1枚確認することがいかに大変か、ということを説明したかったようですが、10円の消しゴムを引き合いに出したのは失敗でしたね。これで庶民の暮らしをまったく理解していないことがバレてしまいました。特にフリーランスはこの春からインボイス制度の導入で、領収書の仕分けだけでも大変な作業を強いられています。まるで国会議員だけが確認作業を怠っても構わないとする発言には、多くの視聴者が反感を抱いたようです」(メディア誌ライター)

 10円の消しゴムはさておき、現政権にはせめて物価の安定に努めてほしいものだ。

※写真は首相官邸HPより

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