政治部デスクが回顧する。
「最も衝撃的だったのが、国会の爆弾男と呼ばれた楢崎弥之助元衆院議員です。ロッキード事件など政治スキャンダルでは先頭に立って追及しましたが、特に88年に政財界を揺るがす大騒動となったリクルート事件では贈賄をもちかけられ、拒否したことをみずから公表。あろうことか自身がおとりとなり、口封じを試みたリクルート社に札束を贈らせる生現場まで隠し撮り。その生々しいやりとりは夕方ニュースに放映された。もっとも決定的な映像を撮るために、ワイロを即座に拒まなかったことはヤリすぎだという批判の声も上がった」
紙爆弾どころか、昭和の時代の動画爆弾のインパクトはすさまじい。
森氏は紙爆弾の出火元について明かす。
「09年の政権交代で民主党政権が誕生。当時の鳩山由紀夫総理(76)に関して、貯金通帳から母親からの巨額のお小遣い、などネガティブ情報が湯水のように湧いてきた。他にも、総裁選でも怪文書などが飛び交うのは毎度のことで、石破茂氏などはどケチ、説教が多いなど人格攻撃で叩き潰されてしまった。こうしたネタは、政治部記者や内閣調査室などあらゆる手段でかき集められます」
永田町を歩けば隠密スパイにぶち当たるというのは本当のことなのか。
一昨年の総裁選では岸田氏に敗れたが、現在も閣僚を務める高市氏は初の女性総理候補の1人だと目されたが、
「地元・奈良県知事選は保守分裂となり、自身も政治資金パーティー問題で『しんぶん赤旗』から猛攻撃を受けている。後ろ盾としていた安倍氏の死去でもはや後がない崖っぷちにあり、今回の紙爆弾がトドメとなる可能性は高い」(政治部デスク)
決まれば伝家の宝刀、時には自爆で返り血を浴びることになる。赤じゅうたんの住人は、国会の最終兵器・紙爆弾こそ厳重取扱注意と肝に銘ずべし。
*週刊アサヒ芸能3月23日号掲載