世界の半分がウクライナを不支持!侵攻2年目突入で際立つ「冷ややか」対応

 ロシアによるウクライナ侵攻から先月24日で1年が経過する中、ウクライナの首都・キーウを電撃訪問したバイデン米大統領が「最後までサポートする」と、ウクライナへの変わらぬ支援を改めて表明したことは記憶に新しい。

 だが一方、支援から1年を迎え、西側諸国の間には温度差が生まれているという。国際問題に詳しいジャーナリストが説明する。

「米国が発表している公式統計によれば、昨年2月から今年2月までに米国がウクライナに対し行ってきた支援の総額は約781億ドル。米国に次ぐのはイギリスの89億ドル。対してドイツは66億ドル、ポーランド38億ドル、フランスは18億ドル、オランダ15億ドル、ノルウェー13億ドル程度と、アメリカの支援はEU加盟国の合計をはるかに上回っています。この点について米議会でも共和党から、ビジョンなきまま闇雲にカネをばらまいているといった批判が相次いでおり、それがウクライナ支援に対する米国世論の支持後退に繋がっているのです」

 そんな中、7日配信の米ニューズウィーク誌が、「ウクライナ侵攻から1年、世界の半分以上はウクライナを支持していない」と題する興味深い記事を掲載し、話題を呼んでいる。
 
 記事によれば、世界は欧米諸国のグローバルノースとグローバルサウス(途上国の大半が位置する南半球)とに大別されるが、両者の間には、今回の戦争に対する受け止め方に大きな隔たりがあるというのである。

「確かにグローバルサウスの人々にとっては、ウクライナ侵攻よりも自国の経済発展や気候変動、移民、テロのほうがはるかに大きな問題。そもそもウクライナ戦争は食糧の枯渇と食糧価格の高騰を招いており、彼らにとってはどんな形にせよ1日も早くこの戦争が終わってほしいというのが本音。記事には『対ロシア制裁を支持していない』とありますが、実際には、それどころではないといったほうが的確かもしれません」(前出・ジャーナリスト)

 世界は広い。日々の暮らしにも事欠くような発展途上国の人々にとって、あるいは気候変動の甚大な被害を受ける地域に住む人々とって、ロシアとウクライナで起こっていることは、悲しいかな対岸の火事でしかない。

「米国がいくら『この戦争の勝敗は世界の隅々にまで影響を及ぼす地政学上最大の問題』と言おうが、ドイツが『ロシアの完全な敗北と撤退以外は国際秩序と国際法の終焉を意味する』と主張しようが、『それはあなた方が作ったルールでしょ』との反感からグローバルサウスは聞く耳を持たないというのが現実です。しかも、西欧諸国内にも『ウクライナ疲れ』が波及しはじめている。世界の分断がより助長される可能性も否定できません」(同)

 このまま戦争が3年、4年と長期化すれば、その懸念はさらに深刻化するだろう。もはや待ったなしの状況にある地球的課題に「オール世界」で立ち向かっていくためにも、なんとか早期に戦争終結の打開策が見出されるよう願うばかりだ。

(灯倫太郎)

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