「日銀総裁に戦後初の民間からの抜擢となる植田和男氏(71)の人事でも事前に新聞で報じられたことで、官邸からの情報漏洩が疑われました。しかし、松野博一官房長官(60)は日銀関係者17人に聞き取り調査を行った上で、情報漏洩はなかったと報告しています。一方、長男秘書官の海外での買い物などを詳細に暴露された際には官邸は犯人捜しを徹底して行っています。真偽は不明ですが、やはり外務省筋から漏れた情報だったようです」(政治部デスク)
外務省と言えば、岸田総理が4年超も外相としてキャリアを積んだ、いわばお膝元のはずなのだが‥‥。
「党内で岸田総理を支える気運はなく、反対に岸田降ろしがいつ起こるかというありさまです。官邸から党幹部に伝えたそばから情報が漏れ出る状況に、岸田総理は人間不信を募らせ、もはや誰も信じられなくなっている。休日は、最側近として頼みにする木原誠二官房副長官(52)と官邸にこもりっきりになることもあります。その点では、国会でも『時代錯誤』『世襲だ』と批判された長男・翔太郎氏の秘書官抜擢も今では総理の精神安定剤として一定の役割を果たしていると揶揄されているほどです」(官邸キャップ)
情報漏れに人間不信、もはやウクライナ訪問どころではない深刻な事態だ。
一方、党内では総理のウクライナ入りに慎重な意見も多い。森喜朗元総理(85)が「ロシアが負けることはない」とウクライナに肩入れすることに釘を刺せば、鈴木宗男参院議員(75)は「経済制裁をやめれば北方領土は返ってくる」などと自論をぶち上げるありさま。
与党関係者が打ち明ける。
「今でも与党内にはロシアを敵に回すのは得策ではないと考えるベテラン議員は多い。岸田総理自身も外相時代、ロシア・ラブロフ外相(72)とはウオッカを飲み交わして会談を重ねた飲み友達。お互いファーストネームで呼び合うほどの親密な関係です。これこそ総理が〝外交の岸田〟を自負する基盤なのです」
このたび名誉ソムリエの認定を受けるなど〝酒豪〟として知られる岸田総理だが、その〝飲みニケーション能力〟が発揮される気配は一向に見当たらない。
政治評論家の有馬晴海氏が解説する。
「岸田さんは電話会談でゼレンスキー大統領に招待されたと繰り返し発言するなど、ウクライナ入りすることに前向きです。ただ、安全が確保されないまま現地入りする判断はさすがにできず、昨年6月は見送りになった。一方で、日本はエネルギーや食糧などの国内自給率が低いことから、ロシアと友好的な関係を保ちたいという本音も見え隠れします」
いたずらに得意の「検討」を繰り返し、先送りする岸田総理に、決断の日は待ったなしに迫っている。
(つづく)