これも「ジャパニーズドリーム」か!?
2023年の巨人キャンプが始まった。コロナウイルス感染予防の規制も緩和され、スタンドに大勢のファンも駆けつけた。しかし、昨季と大きく異なるのは、6人の外国人選手全てがキャンプ初日から合流できたことだろう。
「新加入の5人の外国人選手も『日本流の練習』に慣れようと、通訳や球団スタッフを質問攻めにしています。3日目からウォーカーとブリンソンはアーリーワークにも参加しました」(地元メディア)
中でも注目を集めているのが、ウォーカーだという。来日2年目、昨年はシーズン終了後の秋季練習にも参加し、完全にチームに溶け込んでいる。そのウォーカーが5人の新外国人選手よりも注目を集めた理由はキャッチボールにあった。
「ブリンソンと組んでキャッチボールをすることが多いです。2人が並ぶと背格好がよく似ているため、遠くから見たら、見分けがつきません」(前出・地元メディア)
その「見分けがつかない」ことが、ウォーカーの「進化」だという。
キャッチボールの距離は、70、80メートルまで広がる。ウォーカーは肩が強くない。その「弱肩」で巨人投手陣を泣かせてきた。しかし、今年は届くのだ。70、80メートルのキャッチボールも軽々とこなし、強肩堅守のブリンソンを困らせることは一度もなかった。
「亀井善行コーチが初日早々、全体練習でキャッチボールが始まるのと同時にウォーカーのところに走りました。去年、亀井コーチがつきっ切りで送球モーションを教えていたことは有名です。やはり心配だったんでしょう」(球界関係者)
ウォーカーは70、80メートルのキャッチボールを、むしろ楽しんでいた。亀井コーチに見てくれと言わんばかりに、ブリンソンにストライク送球を続けていた。投げ方にも余裕があったので、距離をさらに広げても大丈夫そうだ。まるで「別人」になっていた。オフの間、相当量の練習をこなしてきたことがわる。
「オフの間もトレーニングをやるのは、米独立リーグ時代から変わっていません。でも、巨人で『ジャパニーズドリーム』を掴んだことで、オフの過ごし方が変わりました。アルバイトをしなくても済むようになったんです」(前出・地元メディア)
生活のためのアルバイトをしなくても、トレーニングに専念できる。その環境がウォーカーを強肩に変えたのかもしれない。昨年オフ、新たに「2年契約、年俸1億円」を交わしたとの情報も聞かれた。大金を掴んでダメになっていく選手はたくさんいたが、ウォーカーは違った。原辰徳監督もニンマリだろう。
(飯山満/スポーツライター)