政府は、ゴールデンウイーク明けとなる5月8日から、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを「新型インフルエンザ等感染症」から季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げる方針を固めた。
「現在、マスクの着用基準は、屋外では2メートル以内で会話する時以外は原則不要となっていて、屋内では距離が確保できて会話をほとんど行わない場合を除いては着用が推奨されます。しかし、新型コロナウイルスが5類に引き下げられることで基準は緩和され、マスクの着用が推奨されるのは『症状があって感染させるリスクのある人』などに限定し、それ以外は、屋内外問わず個人の判断に委ねられることになります」(社会部記者)
これにより、ようやく不自由な生活から解放されると考える人もいるが、一方で、場所によって着用を強要されることを心配する声も少なくない。
例えば、スポーツイベントやコンサートなどでは収容定員の100%であっても声出しが認められるようになるものの、マスクの着用は引き続き求めていく方針だという。また、現在は基本的に着用が義務化されている学校では、今後は生徒の判断に任せることになるのか不透明な部分もある。
「飲食店などでも、店の方針として5月8日以降も着用を求めてくるケースがあるかもしれません。そうなると、個人の判断といっても結局は常にマスクを携帯していなくてはならない。またぞろ『マスク警察』が出てきて、着けろ、着ないで口論になるケースも出てくるでしょう」(フリーライター)
不毛なトラブルが起きないよう、政府は基準の周知徹底に努めるべきだろう。
(小林洋三)