購入時より500万円高く売れた!「高騰」都内中古マンション「売買タイミング」はいつだ

 不動産シンクタンク・東京カンテイは1月24日、2022年の都心6区(千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区)の中古マンションの平均価格を9800万円と発表した。依然として東京23区の中古マンションの価格高騰が続いているという。

 1月25日放送のラジオ番組「おはよう寺ちゃん」(文化放送)に出演した経済アナリストの森永康平氏も、次のように語っている。

「(中古マンションの高騰は)都内は実際、そうだと思いますね。こんなに狭い間取りでも1億もするの、というのが結構ザラに出てきている。共働きの夫婦が低金利を利用して購入し、途中でもし売れば、多少は利益が出せるのではないか、という期待感からどんどん買う人が増えている」

 ただ、一般的に金利が上昇すると不動産価格は下がるといわれている。今後、金利が継続的に上がるのかは不明だが、将来、売却を視野に入れている人にとっては、売り時が問題だ。では、気になる売買のタイミングはいつか。ある住宅情報誌ライターがこんな例を明かす。

「3年ほど前の話になりますが、都内在住の30代OLのAさんはうまく売り抜けました。Aさんは15年に、大田区の閑静な住宅街に建つ築18年の中古マンションを2900万円で購入。3階の角部屋で占有面積が約45平方メートルの2DKでした。20年に、結婚を機に売却することになり、大手不動産売買仲介会社に相談。担当者は築20年以上経過しているにもかかわらず、不動産価格の高騰状態が続いていることから、Aさんが購入した金額よりも高く売れると答えました。実際、物件公開後、約2週間で3400万円の価格で売却できたのです」

 担当者の言った通り、購入金額より500万円も高く売れたのだ。

「Aさんが売買した不動産会社の相場情報によると、Aさんが住んでいた中古マンションの価格は現在約3200万円です。Aさんが売った金額よりも200万円下がっていますが、Aさんが購入したときより300万円上がっています。全てがそうと言いきれませんが、都内の中古マンション価格の高止まりはまだ続いていると考えられます。もっとも、買い替えの場合は購入物件も値上がりしていることを考慮しなければなりませんが」(前出・住宅情報誌ライター)

 不動産を「投資」と考えると素人は失敗しがちだ。あくまで自身の住環境をどうしたいのかを見据えた上で、売買を検討するべきだろう。

(石田英明)

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