1707年の宝永噴火から300年以上が経過した富士山。巨大地震も心配だが、首都圏を直撃する噴火活動も気になる。
サイエンスライターがこう警鐘を鳴らす。
「富士山はいつ噴火しても不思議ではない状況となっています。以前にも河口湖の湖底に気泡が立つ現象がありましたが、これはマグマが上昇してきたことを表しているとの見方もあるんです」
宝永大噴火は、南海トラフで発生した記録に残る日本最大級の地震とされる「宝永地震」の49日後に起きている。
「富士山は現在、噴火レベル1ですが、やはり南海トラフ地震が発生した前後が怖い。その際、麓では水が枯れたり、風穴の氷が解けるなどの異変が現れ、一気に噴火する可能性があると言われています」(前出・サイエンスライター)
宝永噴火では大量の火山灰が富士山の東方面に飛来し、江戸で5センチも積もったという。現代でも同じようなことが起これば、当然ながらパニックに陥る。
「鉄道、交通網は寸断され、そこへ雨が降れば送電線に付着した火山灰によりショートし、大規模な停電が発生。携帯電話の基地局も電源を失い、ネットワークが危機的状況に陥ります。また火山灰はガラス質の破片のため、目や喉を痛めるなど人体にも悪影響を及ぼします」(フリージャーナリスト)
政府の地震調査委員会では、今後30年以内に南海トラフでマグニチュード8~9クラスの巨大地震が発生する確率を70~80%としている。
「つまり、すでにいつ発生してもおかしくはない状況にあるわけですが、富士山噴火との連動性も否定できない。南海トラフ巨大地震では神奈川県で震度6強、東京都心部で震度5強の揺れが想定され、これに津波被害が加わることが予想される。そこへ噴火となれば、想像をはるかに超えたパニック状態に陥るでしょう」(前出・サイエンスライタ―)
果たしてその時は23年に訪れるのか。
(蓮見茂)