12月28日に開幕した「全国高校サッカー選手権」。101回目を迎える今大会は、18日に閉幕したカタールW杯の直後ということもあり、例年以上に注目を集めている。
毎年、会場には才能ある選手をスカウトしようと多くのJリーグや大学サッカーの関係者が訪れているが、今回は海外クラブのスカウトの姿も。W杯で日本代表が旋風を巻き起こしたことがきっかけになっているという。
「今回の森保ジャパン26名のうち、半数の13名は高校サッカー選手権の本大会出場経験者です。海外ではクラブチームによる育成が主流で移籍に多額のお金がかかりますし、そもそもFIFAは18歳未満の国際移籍を禁止しています。そのため、クラブ未所属の才能ある選手が多数いる日本の高校サッカーは、彼らにしてみれば原石の宝庫なんです」(スポーツ紙サッカー記者)
高校サッカーからJリーグを経由せずに海外クラブと契約したケースとしては、07年に仏2部グルノーブルに入団した伊藤翔(現・横浜FC)、10年に英プレミアリーグのアーセナルに加入した宮市亮(現・横浜F・マリノス)ぐらいだったが、22年4月にはチェイス・アンリが独1部シュツットガルトと契約。さらに鹿児島県代表として今回の全国高校サッカーに出場する神村学園のFW福田師王も独1部ボルシアMGへの入団が内定している。
「ここに来て高校卒業後即海外という流れが活発になっており、選手権での活躍次第ではスカウトされる選手は増えると思います。プロ志望の高校生は海外でのプレーを視野に入れていますし、Jリーグ経由だとその時期が遅くなることも知っています。リスクはありますが10代後半〜20代前半は選手が化ける可能性があり、選手にとっても大きなチャンスと言えます」(前出・記者)
高校から直接海外クラブ入団する選手が増えることは、日本のサッカー界にとってもプラスになるはずだ。