Netflix「広告付きプラン」が米で大苦戦!利用率たった「0.2%」ビジネスモデルに黄信号

 米ネットフリックスが新たに提供を開始した「広告付きプラン」について、11月末時点でアメリカでの利用者の割合はわずか0.2%だったと「ウォール・ストリート・ジャーナル」が報じた。加入者の減少を食い止めるために始めた新プランだが、かなりの苦戦を強いられていることが明らかとなり、株価も大幅に下落する事態となっている。

「調査を行ったアンテナ社のデータによると、広告付きプランに加入したのは別のプランからダウングレードした利用者が大半で、新規加入者でこのプランを選択したのは9%にとどまるなどアナリストが予想したものより少ない結果となっていたのです。また、同プランがネットフリックスが保証した視聴率に到達できておらず、クライアント側は広告のキャンセルや広告費の払い戻しを請求することが可能になったとオンラインメディア『Digiday』も報じている。ネットフリックス側は調査会社の分析に異議を唱えているようですが、具体的な反論はありません。サービスを開始してまだ1カ月ですが、いずれにせよ現状ではかなり厳しい状況となっているようです」(ITジャーナリスト)

 ネットフリックスでは2022年の第2四半期(4〜6月)におよそ100万人の加入者が減少。じわじわと値上げされる料金プランを嫌ったZ世代の解約が相次いだことを受け、より安価で提供できる広告付きプランの導入に踏み切ったのだが、おカネを払ってまで広告を観たくないと考える人が多かったようだ。

「日本では、この広告付きプランの導入でNHKが提供する動画にも広告が付けられたことで配信停止を求められていたことが明らかとなり、また民放各局からも事前の説明が十分でなかったことから怒りの声が相次ぐなど物議を醸しました。そんな状況に加え、このプランへの加入者がほとんど増えていないわけですからね。日本のクライアントからも広告を控える動きが起こるかもしれません」(前出・ITジャーナリスト)

 今年8月には、ネットフリックスが会員の解約防止で始めた無料のモバイルゲームの利用率が1%にも満たないことが明らかになり話題になった。広告付きプランも含め、加入者減少を食い止めるのは難しいのかもしれない。

(小林洋三)

エンタメ