都内のアンテナショップが閉店ラッシュ!ゆるきゃらとともに「オワコン化」か

 地方の特産品を販売するだけでなく、商品を通じて地元のPRなどの役割を担っている自治体のアンテナショップ。年々増加の一途を辿り、コロナ前には80軒を超す店舗が都内にあったが、今年に入って閉店が相次いでいる。

 1月末で営業を終了した「丘のまち美瑛」(北海道)をはじめ、2月には「坂井市アンテナショップ」(福井県)、3月には「兵庫わくわく館」、10月には「高知屋」が次々と閉店。さらに群馬県の「ぐんまちゃん家」も年内での閉鎖を発表し、「表参道・新潟館ネスパス」はまだ1年先のことだが23年12月での閉館を予定している。

「新潟県のショップはビルの老朽化に伴う建て替えが直接の理由ですが、再出店に関しては未定です。どのアンテナショップもコロナ禍で売り上げが激減し、一方でネット通販の利用が大きく伸びています。テナント料の高い都内では補助金なしでは経営が立ち行かないところも多く、兵庫県のショップは県からの補助金打ち切りが撤退の大きな要因になっています」(流通ジャーナリスト)

 ちなみに群馬県の山本一太知事も24日の会見の中でアンテナショップの閉店について、「高額な家賃を払うより、県に拠点を作って戦略的に誘客をすべき」と方針の変更を認めている。

「群馬県のショップの昨年度の売上額は9298万円。ピーク時の55%とほぼ半減しています。18年に店舗が銀座の表通りから裏通り移転した影響もありますが、数字の面から見れば撤退は当然の判断です。消費者はネット通販にシフトしつつあり、リアル店舗は百貨店などで不定期に開催される物産展で事足ります。今後、まったく新しい形態の店舗が登場する可能性はありますが、ブームが終わったことで来年以降も閉店ラッシュは続くでしょうね」(前出・流通ジャーナリスト)

 アンテナショップがトレンドともてはやされたのは過去のこと。今やオワコンとなりつつあるようだ。

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