「松葉がにガチャ」「高級和牛ガチャ」…ご当地カプセルが凄いことに!

 東京・新橋にはなんと「松葉ガニ」が出てくるガチャがある。東京の中央区・銀座周辺には地方のアンテナショップが集積しているが、鳥取県と岡山県のアンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」に置かれた「『白うさぎ年』開運カニだのみ!カニセル!」がそれだ。

「1回500円で『特大吉』が出たら鳥取旅行券3万円分が、『カニ大吉』が出たら最高で2万円相当の松葉ガニがもらえるというものです。1日50個限定なので、確率は50分の1ずつ。1階レジで500円を払って専用メダルを購入する形で、1人1回のみチャレンジできます。その他にも『カニパフェ』や『白うさぎ鍋』なんて景品もあります」(経済ジャーナリスト)

 期間は1月30日まで。昨年11月末から12月頭まで設置したところ、好評だったことから再登場させたという。

 風変わりで高級なガチャでは、過去にピーチ航空が始めた「旅ガチャ」や、これに倣ったプリンスホテルの「ホテルガチャ」なんてものもあった。それが最近は、高級志向が「ご当地グルメ」に引き継がれているというわけだ。

 ここ1〜2年、「ご当地」ガチャのブームはあった。嚆矢は21年3月に始まった埼玉県の「大宮ガチャ」だとされる。同ガチャは「氷川神社」や「そごう大宮店」といった地元民にはお馴染みの場所などをかたどったキーホルダーを景品とした、かなりマニアックなガチャだった。だがこれが静かなブームを呼んで、全国に広がった。全国的な知名度はさほど高くないであろう、大宮の隣の与野市の「与野ガチャ」なんてものまでが生まれた。

 それが最近は「ご当地グルメ」にまで広がっている。例えばネットでこんな目撃報告が上がっている。

 日付は昨年12月時点のもの。「ララガーデン川口の前にあるガチャが『極上和牛ガチャ』と『幻の珍味ガチャ』に変わっていた!」。おそらくは地元の人が上げたものなのだろうが、埼玉・川口市のショッピング施設前のガチャが、以前は「近江牛ガチャ」と「びわサーモンガチャ」だったものが、上記2つにさし替わったというのだ。だがこれ、ガチャと言いながら1回3000円なので、どちらかと言えば自販機だ。最近はスーパーの入口などで、全国の有名ラーメンが購入できる冷凍自販機をよく目にするようになったが、要はそれと同じだ。
 
「『ご当地ガチャ』とコンセプトは異なりますが、例えば大阪・梅田の大丸が昨年10月〜11月に『レストランガチャ』を設置しました。1回1000円で、最高5000円分のレストランフロアでの食事券が当たるというもので、『ご当地高級ガチャ』は客寄せやPRで威力を発揮するものとして活用されています」(同)

 ガチャには、誰しも心がわくわくする幼い頃の記憶がある。当たればもちろんラッキーだが、外れても夢だけは買えるので記憶に残りやすい。楽しいガチャならどんなものでも歓迎だ。

(猫間滋)

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