あの紅白歌手に楽曲提供「大物作曲家」の薬物逮捕!(2)サウナ施設内で体内注入

 9月某日、東京地裁の法廷には、被告となったAの姿があった。

 Aは違反薬物を所持していた罪を全て認め、弁護人からの被告人質問では次のように証言している。

「2年ほど前に初めて薬物を使用した。交際相手に誘われて2カ月に1回のペースで使った」

 この交際相手の性別については明らかにしなかったものの、こう明言した。

「性的行為時に使用した。朝まで起きて仕事をする時にも使った」

 “薬物交歓”のパートナーは、「交際相手」に限らなかった。SNS上で相手を物色しては、くだんのサウナ施設などで落ち合い、行為に及んでいたという。

 歌舞伎町で逮捕された日、2本の注射器を所持していた件については、

「2回くらい使用する目的だった」

 と述べている。サウナ施設内で複数回の体内注入を目論んでいたということか。

 捜査関係者が改めて事件当日の足取りを解説する。

「Aは自宅でクスリを使用し、その上で歌舞伎町に向かったものと見られています。薬物性交渉に興じるつもりでサウナ施設を訪れたものの、そこで何らかのトラブルがあり、2回目、3回目の使用には至らなかったのでしょう。薬物所持容疑で逮捕後、尿検査でクロが判明。その時点で、言い逃れができない状況だったと言えます」

 裁判では肩を落として反省する姿を見せたA。過去に性的関係を持った人物と連絡を断ち、今後の自身の症状によっては、薬物依存症外来で治療を受けることを誓った。

 司法記者が補足する。

「裁判では音楽関係の仕事には一切触れず、〝会社員〟と説明していました。どこかの音楽事務所に籍を置いていたのかもしれません。当然、今回の事件で会社は自主退職。現在は求職活動中とのことです」

 公判で裁判官から「最後に言いたいことは?」と聞かれたAは、

「ないです。非常に反省しております」

 と深く頭を下げた。

 その1週間後、Aに下されたのは懲役2年6月、執行猶予4年の有罪判決だった。有罪が確定したことで音楽業界にどんな影響を及ぼすのか。芸能評論家・平田昇二氏の見立てはこうだ。

「20年に槇原敬之が逮捕された際には、『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)のオープニングテーマをはじめ、各局の番組が楽曲の使用を控える動きが見られました。ただ、Aに関しては〝裏方〟という印象も強く、最近は『作品に罪なし』という風潮もあって、様子見で済ませるのではないでしょうか」

 Aの作曲リストには、結婚式の定番ソングもある。名曲で一生の思い出を作ったカップルのためにも、更生に努めてほしい。

*週刊アサヒ芸能10月13日号掲載

エンタメ