回転寿司チェーン「スシロー」を運営するあきんどスシローが先ごろ、宣伝した寿司を実際には多くの店舗で販売していなかったことが「おとり広告」に当たると、消費者庁から措置命令が下された。これを受け7月8日には親会社であるフード&ライフカンパニーズが、水留浩一社長の月額報酬の3割を3カ月間自主返上すると発表したが、ネット上では怒りの声が収まらない。
スシローは昨年9月〜12月にかけ実施したキャンペーンで販売した「新物!濃厚うに包み」「とやま鮨し人考案 新物うに鮨し人流3種盛り」「冬の味覚!豪華かにづくし」の3商品について“売り切れ御免”と表記していたものの、その商品を1日以上販売していなかった店舗が全体の9割にのぼっていたことが判明。
中にはキャンペーン初日から商品を販売していない店舗があったにもかかわらず、テレビCMや広告の掲載を続けたことで消費者庁から「景品表示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること」などの措置命令が6月9日に出されていた。
一連の騒動を謝罪する意味で水留社長の報酬自主返上となったわけだが、これにネット上では《顧客を騙して社長の1ヶ月分に満たない給料をカットして幕引きなんて甘すぎる》《これだけ世間を騒がせて月報酬の3割返還を3か月返還って…。社長も会社も痛くもかゆくもないだろ》《これは反省してませんって言ってるようなもの。個人的には業務停止命令が出てもいいくらいの愚行だったと思ってる》など厳しい意見が殺到している。
「スシローは水留社長の報酬返上を発表した同日、おとり広告問題に対する監査委員がまとめた調査報告書を公表しました。それによると、販売予測が不十分で役員のコンプライアンス意識も低かったとしながらも『故意に実現不可能な広告を掲載した事実はない』と結論づけています。ただ、キャンペーン初日から商品を販売していない店舗があったのであれば、『信じられない』という指摘も出て当然の話。今回の信用のガタ落ちぶりは、かなり大きいと思われます」(経営コンサルタント)
代償は報酬の自主返上程度では済まされないかもしれない。
(小林洋三)