大和ハウス工業は6月18日、建築基準法に違反した一戸建てや賃貸アパートなどが、新たに約1900棟見つかったと発表し、これで4月の時点で公表した約2000棟と合わせて不適合住宅が4000棟にものぼることとなった。
「同社によれば対象物件を抽出する方法に不備があったことで違反物件が増えたとのことで、基本的には引っ越しや建て替えをする必要はないという姿勢。しかし希望があれば転居費用などの補償に応じるとしているため、今後は転居希望者の殺到と補償額の折り合いが注目されそうです」(経済ジャーナリスト)
住宅業界ではレオパレスでもアパートでの施工不良が大問題となり、今度は大和ハウスの違法物件、それも当初の公表から倍になるという事態に、世間の不信感は募るばかり。ネット上でも《まだまだ氷山の一角なのではないか》《違法物件の抽出法自体が信じられない》との疑惑の声まであがっている。
「ネット上に厳しい声が飛び交うのも無理はありません。大和ハウス工業では先ごろ、福岡県内の賃貸アパートの受水槽の施工を依頼した協力会社の社員がパンツ一丁で、飲み水などに供給される受水槽で泳いでいる動画がTikTokなどで拡散され、お詫び文書の発表を余儀なくされたばかり。同社の責任ではないにせよ、あまりにイメージが悪すぎます。今回の違法建築の原因の根底には、需要減の中でもとにかく着工数をキープしようとする、無理なやり方があるとの指摘もある。そうした体質を正さなければ、同じようなことを繰り返す可能性はあります」(住宅専門誌編集者)
同社は再発防止策として、法令順守や品質保証を推進する社長直轄の部署を発足させるという。信用は回復できるか?
(小林洋三)