セ・パ交流戦優勝を逃した巨人だが、今度は支配下登録を巡ってファンのブーイングが聞こえてきそうだ。
巨人は、2016年の育成ドラフト2巡目指名で、入団3年目の加藤脩平(磐田東)を9日に年俸420万円で支配下登録、13日には一軍登録した。加藤は支配下を勝ち取る直前の2軍戦で、日ハム・吉田輝星から適時打を放っており、その勝負強さに大きな期待が寄せられている。
しかし、若手育成の場、ジャイアンツ球場に通う熱心な巨人ファンの間では「あと一人、忘れていないか?」の声も囁かれている。昨年の育成ドラフト1位の山下航汰のことである。
山下は健大高崎高出身の外野手。右投左打のスラッガーで、高校通算75本塁打。高校時代は1年途中から4番を任されたが、2、3年生夏の甲子園出場を逃したため、全国的知名度では今ひとつだった。それで育成ドラフトでの指名となったようだが、高卒1年目ながら、早くも結果を出している。
「頭に死球を受け大事を取ったこともあり、規定打席数が足りなくなりましたが、イースタインリーグで首位打者争いを繰り広げています。対戦チームの首脳陣も『一発もあって、走れる篠塚(和典)という感じ』と高く評価しています」(在京球団職員)
機動力野球の健大高崎で学んだだけあってスピードもある。そんな超有望な選手をなぜ支配下登録しなかったのかと、熱心な巨人ファンは不満を貯めているというのだ。
「70人まで登録できる支配下選手数は、加藤を加えても65人。新助っ人のルビー・デラロサの獲得も発表されましたが、まだ『空き』があります。ただ、巨人はこれまでも“一軍で使える”と判断しなければ、支配下登録しなかった。この方針は育成制度が始まった当初から変わりません。松本哲也、山口鉄也も高いハードルを課せられ、それを乗り越えて一軍出場まで漕ぎつけたのです」(球界関係者)
水面下で複数トレードも噂されている。その関係で支配下枠を残したいのかものかもしれない。いずれにせよ、二軍で打ちまくる山下を早々に登録しなければ、巨人ファンからの「三軍やめろコール」も起こりそうだ。
(スポーツライター・飯山満)