2月11日、12日に立川市で行われた「第71期ALSOK杯王将戦七番勝負第4局」で、渡辺明王将をみごとに4タテ。史上最年少で5冠となった藤井聡太竜王。19歳6カ月での5冠は、天才と呼ばれた羽生善治九段の最年少記録を3年以上回る早さで、向かうところ敵なしの印象だ。
そんな藤井新5冠の偉業を取り上げたのが、14日放送の「バイキングMORE」(フジテレビ系)。この日は師匠でもある杉本昌隆八段がリモート出演。第4局の勝負の分かれ目などを解説し、あらためて藤井5冠の凄さを伝えた。
そして番組が一番盛り上がったのが、師匠しか知らない藤井5冠のプライベートエピソード。最近になって変わったこととして、以前より物をもらうときに深々と頭を下げるようになったことなど、大人になって強くなるにつれてさらに謙虚になってきた人柄を伝え、スタジオ出演者を唸らせた。さらに——。
「先日の移動の際、藤井竜王がいつの間にか師匠の分まで新幹線の指定席を買ってくれていたことがあったそうです。杉本八段はさすがに『それはいいよ』と恐縮したそうですが、藤井竜王は『これぐらいいです』と答えたという微笑ましい話なんですが、問題はその後。杉本八段が、藤井竜王は『新幹線はいつも自由席なんですけど…』と明かしたのです。この瞬間に番組MCの坂上忍さんをはじめ出演者は『えーっ!』と驚がく。さらに杉本八段が『グリーン車にも乗ったことがない…』と続けると、一同大いにのけぞっていました。坂上さんは『(出演者の)野々村真でさえグリーン車なのに』と茶化していましたが、出演者は日本一の棋士がグリーン車ではなく自由席を使うことにショックを受けたようで、皆さんバツが悪そうといいますか、改めて器の違いを実感した様子でしたね」(エンタメ誌ライター)
驚いたのは視聴者も同じで、《私でも指定席を取るのに自由席にはびっくり》《天才は凡人の欲とはかけ離れたところにいるんですね》《謙虚を形にすると藤井聡太》《お金のためにやってない感じがして本当に尊敬できる》《聞いてて背筋が伸びた》《バイキングは全員グリーン車だから答えに困ってたね》など、様々な声があがっていた。
番組の分析によれば「グリーン車に乗ってもいハズですが…」と、すでに1億円プレーヤーになっているという藤井5冠。さすがに自由席はもう無理かもしれないけど、その謙虚さはある意味で日本人の良心。いつまでも失わないでいてほしい。
(飯野さつき)