“最凶オミクロン株”流入は時間の問題!「忘年会」「年末年始」「GoTo」を直撃か

 新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」をめぐる緊急避難的な予防措置として、政府は30日、全世界を対象に外国人の入国を禁止。これにより、今月8日から規制緩和されていた、海外のビジネス関係者や留学生などの新規入国が当面停止されることになった。

「政府は27日の時点で、南アフリカなど6カ国からの入国者や帰国者に対し、最大10日間の施設待機を実施していたのですが、検疫ではPCRではなく、感度の低い抗原定量検査を用いていたことで、与党内からも水際対策に対する懸念の声が続出。結果、岸田総理がそれらの声に耳を傾ける形で入国禁止措置を決断したといいます」(全国紙記者)

 オミクロン株は、ヒトの細胞への感染の足掛かりとなる突起状の「スパイクたんぱく質」に30カ所以上の変異を持つことで、感染力が高まったり、ワクチン効果を弱めたりする可能性が指摘され、一部医療関係者の間からは「悪いとこどりの最凶株」とも称されている。

 一方、世界保健機関(WHO)は28日の声明で、「南アフリカの一部地域で感染者と入院率が増えているものの、現時点で症状が他の変異株と異なるという情報はない」として、重症化率の高さなどの解明には「数日から数週間かかる」とされているのが現状だ。

 そんなこともあり、岸田氏は「オミクロン株についての情報がある程度明らかになるまでの念のための臨時、異例の措置」として、「未知のリスクには慎重の上にも慎重に対応すべきだと考えて政権運営を行っている。状況がわからないのに岸田は慎重すぎるという批判については、私が全て負う覚悟でやっていく」とコメントしているが、専門家の中には「とはいえ日本に上陸すれば急拡大し、一気に蔓延する恐れは否定できない」という声も多い。

「実際、南アでは今月上旬、数十人程度だった新規感染者数があっと言う間に2000人を超え、現在も爆発的に増加しています。理由は、免疫回避力と感染力の高さとも言われますが、実は新型コロナに限らず、ウイルスには『ファウンダーエフェクト(創始者効果)』と呼ばれる現象があり、これは感染者数が少ないエリアに新たな変異株が進出すると、急増する傾向がみられるというもの。ここ数カ月、日本の感染者数は激減していますからね。つまり、感染が収まっているからこそ、ファウンダーエフェクトが起こった場合、爆発的な感染が起こる可能性が高いということです」(感染症に詳しいジャーナリスト)

 現在、日本では感染者の減少状況を受け、飲食店の人数制限も4人から8人に緩和。また、中止を余儀なくされていたイベントも再開され、年末年始はレジャーや旅行など、人流が増すことは想像に難くない。

「政府としても、同じ轍は踏みたくない。だから、今は何としても新南ア株の上陸を許してはならない。今回の、全世界を対象にした外国人の入国禁止はそんな意思表示であることは間違いありませんが、それでもすり抜けて入ってくるのが目に見えないウイルスの厄介なところ。政府には空だけでなく、水路でも厳しい水際対策を求めたいですね」(前出のジャーナリスト)

 残念ながら、ウィズコロナは、まだまだ続きそうだ。

(灯倫太郎)

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