山形県鶴岡市が職員に忘・新年会“積極参加呼びかけ”報道の波紋!

 10月21日、「朝日新聞デジタル」が、山形県鶴岡市が市職員に対して忘年会、新年会に積極的に参加するよう呼びかける文書を発表していたことを報じ、ネット上で批判が殺到する事態になっている。

「同記事によれば、文書は総務部長名で市職員約1900人に通知したもので、『長引く飲食の自粛が地域経済に及ぼす影響を鑑み、市内飲食店への支援及び消費喚起による経済の回復のため』として、感染対策をした上での飲酒を伴う会食・会合の実施や参加を呼びかけ、忘年会や新年会には『積極的に行うこと』としていると掲載したのです」(社会部記者)

 これにネット上では、《自治体がするべきことだろうか。軽めのパワハラ感もある》《わざわざ文書にする必要ある? 絶対に忘・新年会を「断るなよ」という強い圧力にも感じる》《なんで宴会なの?飲みたい人と飲みたいタイミング合わせて各自で行けば良いのでは?》《市当局が同調圧力かけるとは。経済を回すことは大事だが人数制限なしの宴会である必要はまったくない》など、多くの厳しい指摘が飛び交うことに。

 批判が殺到していることに、鶴岡市職員課の担当者は「ビジネスジャーナル」の取材に対応し、「文書は、忘年会をするのであれば、感染症対策をしっかり行ってくださいというのが趣旨です。忘年会、新年会の実施を職員に指示しているものではありません」と説明。市役所庁内などから「今年の忘年会はどうすればいいのか」という問い合わせを受けたことから、13日に山形県が発表した「会食心得」に沿って制作したもので、文書は同市役所の公式サイト上でも閲覧できるものでもあり、強制するものではないことを強調した。

「実際に文書を読んでみると、確かにお願いベースで書かれたものであり、忘・新年会への参加を強いるようには書かれていませんが、この文書を見た職員が忘・新年会を断りづらくなったというのは実際問題としてあるのでは。ここ数年で職場の忘・新年会に参加したくないという人も増えているご時世の上、例えばキリンホールディングスが実施した《コロナ禍を受けた飲酒と“アルハラ”に関する実態調査》では『コロナ収束後も、ないままでいいと思う飲み会』の3位に新年会、6位に忘年会がランクインしているほど。内部から問い合わせがあったとしても、もはや全体周知で言及すること自体、ナンセンスなのかもしれません」(社会ジャーナリスト)

 今回はお役所内での出来事だっただけに、余計に注目されてしまった面もあるのだろう。

(小林洋三)

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