「忘・新年会」開催予定企業が50%超え!それでも高年齢層が「不参加希望」なのはナゼ

 東京商工リサーチが実施した「2023年 忘・新年会に関するアンケート」調査で、今シーズンに忘・新年会を実施する予定の企業は54.4%となり、増加傾向にあることがわかった。忘・新年会離れが叫ばれて久しい昨今だが、今後はスタイルを変えながら行うようになるのかもしれない。

 同調査によると、「コロナ禍前も実施しており、今回も実施する」が36.2%となり、さらに「コロナ禍前は実施していなかったが、今回は実施する』が18.2%で、忘・新年会を実施する予定の企業が過半数を上回った。開催予定企業はコロナ禍前に比べれば少ないが、前年の調査からはおよそ16ポイントも増加した。実施する理由としては「従業員の親睦を図るため」を多くの企業が挙げている。

 コロナ禍前の2019年にNHKの「ニュースウオッチ9」が取り上げたこともあり、「忘年会スルー」「新年会スルー」が話題となったのは記憶に新しいが、コロナ禍に入るとさらに忘・新年会離れは加速した。《忘・新年会に強制的に参加させるなら勤務時間外の残業代を支払うべき》といった声すら見られるようになった。

 しかし、その一方で昨年、Job総研が20代から50代の会社員770人を対象に実施したアンケート調査によると、若い人ほど忘年会の開催に肯定的であることが明らかになっている。「忘年会が開催されたら参加したいか」という問に対しては、20代の70.2%が「参加したい」と回答しているのだ。そして、その理由として最も多かったのが「コミュニケーショを取るため」だった。

「ただし、忘年会は開催しても参加は強制しない、という企業は増えているようです。参加したくない従業員を無理やり参加させるのはモラハラになりかねませんし、物価高の影響で忘・新年会の開催費用もかなり値上がりしていますから、むしろ参加者が減ったほうが助かるという企業もあるのでしょう。年齢層が高いほど『必要性を感じない』などと言って参加に否定的なようですし、今後の忘・新年会は若手社員たちのコミュニケーションの場に変わっていくのかもしれません」(社会学者)

 コロナ禍を経て忘・新年会も生まれ変わろうとしているようだ。

(小林洋三)

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