Netflixの独走許すまじ!「ディズニー+」が日本で制作、世界配信する作品とは

 世界的に見れば、巨頭の「Netflix」に「ディズニー+」や「Amazonプライム・ビデオ」「Apple TV+」などが“1人勝ちは許さない”と追随、競合している映像配信ビジネス。そんな中、ディズニー+がアジア太平洋地域に本格進出をして、覇権争いは一層熾烈さを増しそうな勢いだ。

「10月14日に米国ディズニー社は日本を含むアジア太平洋地域(APAC)に配信するコンテンツのラインナップの充実を発表しました。また11月からは、配信先の国も従来の日本やオーストラリア、東南アジアの国々に加えて、韓国、香港、台湾でのサービスも開始します。そしてここで注目すべきは、単にコンテンツを増やすというだけではなく、この地域発でオリジナル・コンテンツを製作するということ。例えて言えば、これまでは単なる“お客さん”が住んでいるだけだったこの地域に、本格的に店を構えて地元のニーズに合った商品を提供するようなもので、APAC市場の獲得に本格的に乗り出したと言うべきでしょう」(経済ジャーナリスト)

 ディズニー+のコンテンツと言えば、ディズニー、マーベル、スター・ウォーズ、ピクサー、ナショナルジオグラフィックで知られ、それが見たさに会員になっている日本人も多いだろう。それが、今度はAPAC現地からもコンテンツを制作・調達するという。だから今後は、ディズニー+ならではの日本や韓国ドラマを見たいという、新たな会員の獲得が果たされることになるだろう。

 ではどんなコンテンツが提供されることになるのか。その中身を見てみれば、鈴木亮平と賀来賢人主演でTBS と取り組むドラマの「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」や「少年ジャンプ」の漫画アプリで1.3億ものPVをほこる「サマータイムレンダ」のアニメ化など、話題性は十分だ。これが日本発で、BTSや「愛の不時着」などが国外でもウケている韓国からは、K−POPグループを追ったドキュメンタリーやドラマが、その他、台湾のドラマやオーストラリアのドキュメンタリーなど、なるほど、他では見られないコンテンツの提供も予定されている。

「東京ではこれに合わせたイベントも開催されて、その場で新たな2つのドラマが加えられたかと思えば、『週刊漫画ゴラク』にて連載中の漫画『ガンニバル』のドラマ化で主演を務める柳楽優弥のスペシャルメッセージが披露されたり、草なぎ剛、伊藤沙莉といった芸能人がサプライズ登壇するなど賑やかなもので、単なるディズニーの上陸だけではない、新たなメディアの登場といった趣でした」(前出・ジャーナリスト)

 これまでは、Netflixがオリジナルコンテンツの製作・提供で先を走っていたところ、もともとのコンテンツが豊富で人気も世界的広がりをもつディズニー+が待ったをかけるという展開だった映像配信ビジネス。ディズニー側がさらに地域的な攻勢も仕掛けるということで、ますますこの分野の争いが熾烈になることは間違いないだろう。

(猫間滋)

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