激烈な総裁選を経て、岸田文雄・内閣総理大臣が誕生した。伊藤博文を初代に、明治・大正・昭和・平成・令和とつないで、ちょうど100代目である。その船出から「論功行賞政権」など外野の声も厳しいが、かつて先人たちは、強い言葉で国民を鼓舞してきた。
「自民党を内部からぶっ壊す!」
掟破りな言葉で一躍、国民の支持を得たのが87〜89代の小泉純一郎。下馬評では不利だったが、「小泉劇場」と呼ばれる熱いメッセージで逆転。総理就任後も「米百俵」「聖域なき構造改革」など、流行語を連発した。
史上最年少の52歳で総理に就任した田中角栄は、「今太閤」と呼ばれて空前の角栄ブームを演出。地盤の新潟では、初出馬の時から「若き血の叫び」をキャッチフレーズに熱弁を重ねる。
「越後山脈のどてっ腹に穴を開け、高速の鉄道を建設し、道路を通し、二時間か三時間で東京に着くようにしてみせる」
当時は誰もが夢物語と思ったが、有言実行をモットーとする角栄は、まさしく「日本列島改造論」の大工事をやってのける。そして民主党(当時)から94代の総理となった菅直人は、就任半年でこんなことを言った。
「今までは仮免許、これからが本免許」
謙遜のつもりが、当時は野党だった自民党から「日本のトップに仮免許の期間などない!」と猛反発を受ける。
10月5日発売の「週刊アサヒ芸能」10月14日号では、ほかにも忘れがたい歴代総理の名言や失言をずらりと並べている。