日本郵政「有休削減」で社員の嘆き節、「学生人気ランキング」でも圏外に

 正社員の有給休暇の日数を削減する方針であることが明らかになった日本郵政。期間雇用社員との有給休暇の格差是正がその理由だが、その内容とは彼らに夏冬に1日ずつの有休を与え、現在3日ずつ休暇が認められている正社員を1日に減らすというものだ。
 
 5月24日、時代に逆行するようなこの有休削減案がニュースで伝えられると、ツイッターのトレンドワードで急上昇。ネット上では《日本郵政のブラック化が加速》といった投稿が飛び交い、なかには《小泉純一郎のせいだ》と郵政民営化を進めた小泉元総理を逆恨みするようなコメントも。
 
 ちなみにこれは20年10月、最高裁が日本郵政グループの正社員と期間雇用などの非正規雇用の社員との間に「不合理な格差がある」と判示を下したことを受けての改善策のひとつ。ただし、正社員は有休を減らされることになり、何のメリットもなく、聞こえてくるのは嘆き節ばかりだ。

「正社員は収入増との見方もできますが、出勤日数が増えればその分給料が多く貰えるのは当然のこと。そもそもこれは当たり前の話。労働組合側は合意したと報道されているものの、この変更案を本心から喜んでいる社員はほとんどいないはずです」(社会保険労務士)

 ただでさえ日本郵政は社員に対し、簡易保険や年賀状、お中元・お歳暮などに事実上の販売ノルマを課していたのは有名な話。目標額をクリアできる社員は一部で、多くの社員が自腹での買い取りを余儀なくされていたと言われている。

「雇用形態の違いによる労働条件の格差をなくすのは当たり前ですが、正社員の有給を減らすのは本末転倒。今回の報道を受けて就活を控えた大学生の間では、日本郵政を志望先から外す動きが顕著になっています。実際、学生向けに就職支援サービスなどを提供する企業が5月に発表した『人気企業ランキング』でも、日本郵政は上位100位にも入っていません」(前出・社会保険労務士)

 人気企業ランキングで「圏外」という結果も頷ける。同一労働同一賃金はけっこうだが、「有給削減」が悪しき前例となり、追随する企業が出てこなければいいが…。

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