来シーズンの契約は大丈夫か? マリナーズの菊池雄星投手がアストロズ戦で2回途中6失点と大炎上してしまった(9月7日/日本時間)。1回3分の2は今季最短でのKO。前回登板の同カードでは勝ち星こそつかなかったが、7回無失点と好投していただけに、スコット・サービス監督もオカンムリだった。
「試合後、『見苦しい試合だった。ハッピーな人間なんて誰もいないよ』と厳しい口調で吐き捨てていました。味方野手のエラーもあり、菊池だけを責めるのはちょっとかわいそうですが」(在米ライター)
翌8日、地元紙シアトルタイムズが気になる記事を掲載していた。
〈菊池との契約延長に楽観的だったスタッフがいたとすれば、雷に打たれたような心境だろう〉
菊池は3年総額4400万ドル(約48億5000万円)の最終年を迎えた。地元紙が突き放したような文言を載せたのは、その契約を延長するか否かの決定権はマリナーズ側にあるからだ。また、どちらになるとしても、「11月初旬までには通達する」となっており、「シーズン終盤でこんなピッチングをしていたら、延長は勝ち取れないだろう」と、懸念しているのだ。
「最終判断を下すのは、ジェリー・ディポートGMですが、サービス監督の試合後のコメントが気になります。ディポートGMとサービス監督は一心同体ですから」(同前)
ディポート氏にはエンゼルスのGM職を解かれた過去がある。2015年7月のことで、エンゼルスの名物指揮官でもあったマイク・ソーシア監督(当時)と何度もぶつかり、「GMと監督のどちらを取るか?」という異例の二択劇に発展し、権力抗争に敗れた。
「その約2カ月後、マリナーズGM職に復帰しました。現在のサービス監督を連れてきたからで、サービス監督はエンゼルス時代の補佐役です」(現地関係者)
菊池は1年よりは2年目、2年目よりは今季とピッチング内容を高めてきたが、防御率だけは改善が見られない。そのための課題を見つけ、アストロズ戦の炎上は「そのテストピッチングの失敗だった」とかばう声も聞かれたが…。
「菊池は農業を営む祖父母から、『果実は促成栽培できない。桃栗3年柿8年』と教わり、それを信条にしています」(西武時代を知る関係者)
ディポートGMはエンゼルスを見返してやるとの気持ちが強い。若手育成も急いでいるので、努力家・菊池の「桃栗3年柿8年」の思いは伝わっていないかもしれない。
(スポーツライター・飯山満)