60代以上の通販トラブル「過去最多」 高齢者が引っかかる根本問題とは?

 20年度に全国の消費生活センター等に寄せられた相談のうち、契約当事者が60歳以上である相談の件数は約34万件。相談内容は通信販売に関するものが約11万件で過去最多になったと、国民生活センターが発表した。新型コロナウイルスの感染拡大による在宅時間が増えたことで、トラブルが急増していると見られている。

 消費生活センターに寄せられた60歳以上の通信販売に関する相談は19年度の8万8349件から20年度は10万7796件とおよそ2万件も増えている。主な相談事例としては「スマートフォンのインターネット広告からダイエットサプリメントを申し込んだ。初回は500 円ぐらいだったが、その後数カ月分が一度に届き、2万円を超える請求を受けた」や「スポーツ専用定額制動画配信サービスのサブスクリプション契約を解約することにしたが、解約手続きが完了しない」といったものが寄せられていて、特にネット通販でのトラブルが多いという。

 60歳以上のネット通販トラブルが急増していることにネット上では、《サブスクは契約はしやすいのに解約になると急に複雑になるから高齢者では無理ゲー》《最近は高齢者を狙ったネット詐欺も増えているらしいからね》などの意見が多く見られるが、悪いのは必ずしも相手側とは限らないという。

「国民生活センターは60歳以上のネット通販トラブルに対して『返品・交換、解約のルールなどは契約時のサイトの記載に従うこととなるため、サイト内の購入条件や返品・交換、解約のルールや解約方法についてきちんと確認してから申し込むようにしましょう』と注意しているように、実は契約者側の確認不足がトラブルになっているケースも多いのです。特に昨年はコロナの影響によって外出の自粛を求められたこともあり、今までネット通販を一度も利用したことのない高齢者が初めて利用するケースが増えました。高齢者はそもそもインターネットリテラシーが低い人が多いため、販売者側に問題がなくてもトラブルになってしまいがちなのです」(ITジャーナリスト)

 ネット通販はクリックひとつで注文ができてしまうため、身近にいる家族が見守ってあげる必要があるだろう。

(小林洋三)

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