自粛とワクチン接種だけで何の目玉対策も講じない菅内閣だが、酒販売と感染者数は相関関係があるとし、酒類販売業者を狙い撃ちしている。西村康稔経済再生相(58)の「金融機関に働きかける」発言は居酒屋店主だけでなく全国民から大顰蹙を買ったが、いまだに居酒屋イジメは続いている状態だ。
「これに関しても何のエビデンスもありません。厚労省がデータで確認したという発言を田村憲久大臣(56)がしていますが、厚労省データを確認したところ、説得力あるデータは存在しません。したがってこれは、コロナ感染拡大による国民の不満のはけ口を探す政府によって作られたスケープゴートなのだと考えざるをえません」
消毒、換気、アクリルボードなどガイドラインに応じて感染対策を講じた居酒屋で、肝心の酒が提供できないのでは、もはや居酒屋禁酒法に等しい。下戸の菅総理が何かやっている感を出すために打ち出した愚策としか言いようがないのだ。
すべからく自粛する流れの中で、東京五輪だけは特例でゴリ押し開催された。しかし、史上初の無観客開催でチケット販売や観光客によるインバウンドもない有様と化した。
「この五輪の最大の問題は、国民には緊急事態で移動や会食やイベントの自粛をさせておきながら、政権浮揚のために役に立つと目される五輪だけは、特例的に認めて開催するというダブルスタンダードです。これではまるで、政権自らが治外法権を作り出したようなもの。これに対して、国民は大きく反発しているのだと思います」
菅総理とタッグを組み、五輪開催を推進した小池百合子都知事(69)は「極めて教育的価値が高い」とパラリンピック観戦を優先する。生徒たちにとっては4年に一度のオリンピックよりも一生に一度の修学旅行の方が大事なのではないか。
「まさにその通りで、子供たちに対するコロナのリスクは、高齢者とは比較にならないくらいに低いものです。政策というものは常にメリットとデメリットを考え、総合的に判断すべきものですが、修学旅行のメリットが甚大であることを考えれば、それを自粛させてしまうのはあまりにも不合理であると考えます」
また、藤井氏の批判の矛先は「大阪モデル」など独自に打ち出した大阪・吉村洋文府知事(46)にも向かった。
「自粛に伴う副作用に配慮していた時期があり、医療供給力対策も一定努力しておられ、無策の総理の下での対策という点を勘案すれば、他の知事に比べると評価すべき点はあると思います。しかしそれでも、禁酒や時短などの有効性を鑑みず、感染者数のみを見ながらの宣言発出と運用は、他の知事の皆さんと同様、大いに問題があると思います」
有事の時にこそ自らの手柄ではなく、国民の窮地を救うべく積極的に施策を実行する指導者を、国民は求めているのだ。
*「週刊アサヒ芸能」9月9日号より。(3)に続く