一口馬主は残念!「1億円馬」が軒並み崖っぷちの惨状

 サラッブレッドは血で走ると言われる。血統がものをいう世界で、良血馬は当たり前のように1億を超える価格で取引される。それらの馬がすべて期待通りの走りを見せているかというと、そんなことはない。期待に応えることができないケースのほうが、はるかに多い。空前の一口馬主バブル(会員が増えて売り手市場)だと言われるいまこそ、その現状を知っておくべきだろう。以下は、期待に反した馬の最新例だ。

 2019年の年度代表馬リスグラシューの全弟クローヴィスは、姉が活躍中の19年夏にキャロットクラブから1億円で募集された。即満口となったのは言うまでもない。しかし、順調に育って昨秋デビューしたが、4着に終わる。その後、4戦したが勝てず、とうとう今年の7月半ば楽天サラブレッドオークションにかけられることに。その落札価格はというと、わずか208万円だった。

 同馬は1カ月後の8月18日に、名古屋競馬で地方デビューしたが4着に終わる。そこで2勝すれば中央に戻ることが可能だが、レース内容からして難しそうだ。

「馬体がデビュー時から20キロ以上減って、見るからにみすぼらしい。あの体では、地方で活躍するのも難しいですね。募集時のカタログをいまでも時々見ますが、悲しいです。血統と馬体の良さからオープンまで行くものと思っていましたから」(元の出資者N氏)

 キャロットクラブには、崖っぷちに追い込まれた1億円馬がまだ2頭いる。アークライトとセブンサミットだ。

 アークライトは桜花賞馬ハープスターの全弟で、デビュー前に大評判となった馬だ。名門・藤沢和雄厩舎のエースとしてクラシック戦線を賑わすものと思われていたが、デビューした後は惜敗続きで勝ちきれない。芝でダメならダートでと、先週の札幌・3歳未勝利ダート1700㍍を予定していたが、除外となってしまう。未勝利戦があるのは、あと2週だけ。厳しい現状だ。

 セブンサミットは母がオークス馬シンハライトで、500キロの雄大な馬体からは大物感が漂う。デビュー戦はもちろん1番人気に推されたが、4着に終わる。その後、5戦したが勝ちきれない。その6戦目では肺からの出血があり、現在は放牧中だ。関係者は「しばらく休養させたあとに1勝クラスで勝利を目指す」と言っているが、さてどうなるか。

 以上の3頭は天下のノーザンファームが自信を持って送り出した馬で、出資者も大きな夢を抱いていたに違いない。しかし、これが現実。馬で当てることは難しい。

(競馬ライター・兜志郎)

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